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1月の世界の政策金利をアップデート!
12月はコメントしている14カ国全ての国で利下げがあったが、1月は、カナダ(0.50%)、ECB(0.50%)、英国(0.50%)、ニュージーランド(1.50%)、デンマーク(0.75%)、ポーランド(0.75%)、ハンガリー(0.50%)の7カ国で利下げが行われた。
イングランド銀行(BOE)は8日、0.50%の利下げを行い、政策金利を1.50%とした。
イングランド銀行(BOE)の0.50%の利下げ幅は市場のコンセンサスとほぼ同じであったが、予想の下限に近いものだった。12月の1.00%、11月の1.5%の利下げ幅には届かなかったものの、これで10月からの利下げ幅は合計で3.50%、信用危機から4.25%となった。
1.50%の政策金利は1694年のイングランド銀行設立以来、過去最低の水準である。
英ポンドが大きく下落していたことから0.50%よりも大幅な利下げに対して慎重な意見がMPC(金融政策委員会)内で議論されたようである。
声明文では『家計および企業向けの与信はともに一段と逼迫し、非金融部門への融資の流れを拡大させる追加措置が必要であることを示している』、『今年初めの生産は引き続き、急激に減少する公算が大きい』などの認識を示唆した。
また、声明文では政策金利がゼロの水準になったときの量的緩和についての具体的な言及はなかったが、英財務省とイングランド銀行の現在の議論はそうした可能性もあることを示唆。米国FRB同様に英国債、MBSなどの買い入れを中心とした量的緩和策(バランスシート拡大)を測る可能性が高いとの指摘がある。
住宅市場の大幅な下落と金融セクターの混乱を契機に、英国経済の後退色は強い。また、労働市場の急速な悪化もあり、今後もイングランド銀行の追加利下げが予想され、政策金利は3月までに0.50%まで引き下げられるとの見方も根強い。さらに0%に近づく可能性も指摘されている。
市場では0.75%や1.00%の利下げを予想していた向きもあり、英ポンドは大きく上昇(一時+1.3%)した。また、債券相場は利下げを受けて上昇(金利低下)した。
ECBは15日に予想通り0.50%の利下げ、政策金利を2.00%とした。
利下げは昨年10月の協調利下げ以来4ヶ月連続で利下げ幅は合計で2.25%となった。
また、2.00%の政策金利は2003年6月から2年半続いたユーロ発足後の最低水準と並ぶもの。市場関係者の指摘では、ECBが2003年に2%まで政策金利を引き下げたのは誤りであったと考えているため、今回の利下げ局面では2.25%にとどめるとする見方もあったが、直前のコンセンサスでは0.50%の利下げ幅を織り込む動きとなっていた。
トリシェECB総裁は理事会後の記者会見で、理事会が今回の利下げを先送りする選択肢も議論したことを明らかにしたが、『2%は歴史的最低水準だが、政策金利の下限ではない』とコメントし、追加利下げ実施の可能性を示唆した。しかし、『流動性の罠に陥るつもりはない、また、我々は事前予告をしない』として、市場の大幅追加利下げ観測を牽制した。これは、『次回の重要な会合は3月であり、2月ではない』と言及し、3週間後に開催される2月のECB理事会での利下げ見送りと利下げ実施が3月に持ち越されることを示唆したことと併せて、ECBが市場の過剰な利下げ期待を抑え、短期的な金利据え置き期間を設けたい意向が窺える。
さらに、トリシェ総裁は『0.50%の利下げは、直近の経済指標のみならず、先行きの成長減速をも考慮したものだ。直近のECB職員による予測数値と比較してより深刻な成長減速を予想している』として、景気の更なる悪化を既に計算に入れていることを表明したものの、行間には、一旦の政策金利の打ち止め感を匂わすようなニュアンスが読み取れなくもない。
物価見通しについては『商品市況の低下と需要の鈍化から、圏内のインフレ圧力はさらに低下することが予想される』としながらも、『中期的な価格安定性に対するリスクは概ね均衡している』と言及。ちなみにこの日発表されたユーロ圏12月HICP確報値は11月の2.1%から1.6%に低下、コアHICPも1.9%から1.8%に低下したが、これはECBが目標とする2%を下回り、2006年10月以来の低水準となっている。エコノミストの指摘では、ドイツ、フランスなどのコア国に対して、スペイン、アイルランド、ポルトガルなどの周辺国が著しい物価下落圧力に直面していることから物価見通しを『均衡している』とするECBの判断は楽観的すぎるとのコメントも見られた。
今後の追加利下げについては、3月も0.50%の利下げが行われるものの、ECBはゼロ金利まで利下げを行う可能性は低く、1.50%で打ち止めとする見方がある一方、今年の第二四半期にかけて1.00%まで引き下げるとする見方もあり、意見が分かれている。
ユーロ相場は、ECBの追加利下げの可能性示唆から一時1.3026まで下落したものの、その後は買い戻しが入り、1.3115(-0.58%)でNY市場の引けを迎えている。一方、対円では、ユーロ円は117.87(+0.35%)と上昇している。
債券相場は、ドイツ国債でみると、2年債が1.525%(+3.2bp)と金利上昇したが、それ以外は5年債2.195%(-3.1bp)、10年債2.890%(-4.8bp)、30年債3.773%(-3.1bp)と金利低下(相場上昇)となった。また、蛇足ながら10年債券利回りは、小生が1年半前に予測した2.8%台の水準となり(欧州系証券会社のエコノミストとの勉強会で、2.8%の予測を表明したところ大変驚いていた)、市場最高値を更新した。
カナダ中銀(BOC)は19日に0.50%の利下げを行い、政策金利を1.00%とした。
市場参加者の一部では0.75%の利下げを予想する意見もあったが、これで過去最低水準にある政策金利は一段と低下し、1.00%となった。
声明文では金融危機が実体経済に及ぶ中、世界経済が大きく悪化したと指摘。輸出が急速に減少している点、内需も実質所得や資産の減少、企業や家計の景況感悪化に伴い縮小している点が現況判断として示唆された。
全般的な緩和バイアスは維持されているが、12月までの『一段の景気刺激策が必要である』に対して、『今後、金融面からどの程度の刺激策が必要かを判断するために経済・金融情勢を注意深く見守っていく』に変更され、前回までの大幅な追加利下げ期待を醸成するスタンスではなかった。これはカナダドル安に一定の配慮をした面、1%よりも下の政策金利実施に一定の猶予期間を設けたい意向などがあるものと考えられる。
先行きの見通しについては、GDP成長は2009年が+1.2%と低下するものの、2010年はこれまでの景気対策の効果とカナダドル安の影響から+3.8%への回復を予測し、小幅ながら昨年10月の予想を上方修正した。インフレ見通しは2009年第四四半期にかけてコアCPIが+1.1%、総合CPIでは2009年内にマイナスに転換し、インフレターゲットの2%達成は2011年上半期との見通しに改定された。
今後の利下げ見通しは、今回の利下げ幅が0.50%にとどまったことから次回3月は0.25%ではなく、0.50%との見方が台頭している。
ハンガリー中銀は20日、0.50%の利下げを行い、政策金利を9.50%とした。
ハンガリー中銀は緩和バイアスを維持した。声明文では景気後退が予想以上に厳しいとの見方が示唆されており、今後も利下げが繰り返されるものと考えられる。政策金利は第一四半期に8.00%まで低下し、年末には5.00%まで低下すると見る市場参加者もいる。
FOMCでは28日FFレート(0~0.25%)の据え置きと量的緩和の継続が確認された。しかし、長期国債の買い入れは見送り。
FOMCの据え置きは市場の予想通りで資金供給オペなどを通じて『FRBのバランスシートを高水準に維持する』ことを示唆し、前回12月のFOMCで追認した量的緩和の継続が改めて確認。信用市場と経済活動を下支えする意向が示された。声明文の冒頭では『経済活動に鑑みると、異例なほど低いFFレート水準は暫くの間正当化されよう』と指摘し、時間軸効果を前回の声明文よりも強調した。
今後数四半期にかけて政府機関債、MBS(住宅ローン担保証券)の買い入れ増額の意向も示唆された。また、民間信用市場の改善に特に効果があると思われる局面では、長期国債を買い入れる用意があると言及した。さらに、ターム資産担保証券貸出制度(TALF)も創設され、家計および企業への信用供与が促進される意向である。
景気見通しは前回よりもさらに懸念され、インフレについても『インフレ圧力は向こう数四半期抑制されたままであろう』、『暫くの間インフレは長期的な視点から経済成長や物価安定を促すのに適当な水準を下回るリスクがある』との言及があった。実質金利が高くなることが懸念され、今後も追加的な政策対応の可能性があるものと考えられる。
ラッカー・リッチモンド連銀総裁は、FOMCが速やかに米国債の買い入れを開始するべきであるとの見方を表明(マネタリーベースの拡大を主張)して今回の様子見的な決定に反対票を投じた。米国債相場は、国債買い入れが実施されなかったことで失望売りとなり、急落した。
ニュージーランド連邦準備銀行(RBNZ)は28日に1.50%の利下げを行い、政策金利を3.00%とした。
利下げ幅は市場予想の1.00%を上回る大幅なものであった。RBNZはこの3ヶ月で合計4.00%の利下げを実施したことになる。
中銀は緩和バイアスを維持したが、政策会合後の記者会見でボラード総裁は、追加利下げは今回より小幅になるとの見方を示した。
市場では政策金利が2.50%まで低下するとの見方が織り込まれつつある状況となっている。
ポーランド中銀(NBP)は28日に0.75%の利下げを行い、政策金利を4.25%とした。
利下げ幅は市場の予想よりも大幅なものであった。前回の利下げと同様に国内経済の減速懸念の高まりや欧州各国の大幅利下げ実施がポーランド中銀の大幅利下げに繋がった。市場関係者のこれまでの指摘では、ポーランドズロチ安や2009年4~6月期にERM-Ⅱに移行する見込みが高いことから追加利下げ余地は限られ、政策金利は当面据え置きとの見方があった、一方次回にも0.50%の追加利下げがあり、4~6月中に3.00%まで低下するとの見方も浮上している。
世界の政策金利 (1月30日時点)
日本0.10
米国 0.25
カナダ 1.00(-0.50%)
ユーロ 2.00(-0.50)
英国 1.50(-0.50)
豪州 4.25
ニュージーランド 3.50(-1.50%)
スイス 0.50
デンマーク 3.00(-0.75)
スウェーデン 2.00
ノルウェー 3.00
ポーランド 4.25(-0.75)
チェコ 2.25
ハンガリー 9.50(-0.50)
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