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2月の世界の政策金利をアップデート!
2月は、豪州(1.00%)、英国(0.50%)、ノルウェー(0.50%)、スウェーデン(1.00%)、チェコ(0.50%)ポーランド(0.25%)の6カ国で利下げが行われた。
RBA(オーストラリア連邦準備銀行)は3日、1.00%の利下げを行い、政策金利を3.25%とした。
1.00%の利下げは市場の予想通りであったが、前回12月2日の利下げ後の利下げ幅の予想は0.50%がコンセンサスとなっていた。実際、前回の声明では、経済指標に欧米のような深刻な悪化ないという点、実質GDPも鈍化しつつもプラスを維持している点などから、積極的な利下げスタンスには慎重な姿勢が窺えた。しかし、今年に入って、豪州の一次産品の輸入国として経済成長を支えてきた中国が2008年第四四半期の実質GDPが大幅低下となったこと、RBNZ(ニュージーランド中銀)が1.50%の大幅な追加利下げを実施したことなども影響し、利下げ前には1.00%の予想がコンセンサスとなっていた。
スティーブンス総裁は世界経済の大幅な悪化を指摘。中国の経済成長も大きく減速したと言及。世界経済の見通しも弱いとの見方を示した。こうした状況下、豪州経済が受けた悪影響は他の先進国と比較して小さいものながら、金融市場の混乱、世界経済の悪化、商品価格の大幅な下落を受けて豪州の景気信頼感、需要見通しは大きく悪化したと言及。内需は当面抑制的であるとした前回会合の見解を下方修正した。需要の悪化に更に対応するため、政策金利の大幅な追加引き下げが必要と判断したと言及した。また、インフレ見通しについては低下を続けるとの見解で、前回までの通貨安によってインフレ率が豪州中銀の定めるインフレターゲット内に収まるまでの帰還が長引くとの見通しは削除された。
また、利下げに先立って豪州政府は所得給付やインフラ支出などからなる420億豪ドルの財政出動も発表。声明では、今回の金融緩和と財政出動が海外からの豪州経済への後退要因を緩和する一助となると言及。金融緩和バイアスは消滅していないが、見通しが曖昧になったとの指摘がある。一方、市場では政策金利が2.00%まで低下するとの予想が織り込まれつつあるとの見方もあり、意見が分かれている。
ノルウェー中銀は4日、0.50%の利下げを行い、政策金利を2.50%とした。
0.50%の利下げは市場の事前予想通り。声明では景気減速が予想以上に深刻化、長期化している懸念が指摘された。しかし、今後の様子見姿勢も示唆されるものとなり、方向感に乏しいとの意見があった。また、中銀は既に実施された大幅な利下げが浸透するまでには時間がかかることも示しており、追加利下げの可能性は残るものの、そのペースは鈍るとの見方がある。一方、景気の大幅な悪化とインフレ率の急速な低下を背景に3月にも0.50%の利下げが行われ、さらに6月までに0.50%の追加利下げがあり、政策金利は1.50%まで低下するとの見方をするエコノミストもいる。
イングランド銀行金融政策委員会(MPC)は5日、0.50%の利下げを行い、政策金利を1.00%とした。
0.50%の利下げは市場の予想通り。政策金利の1.00%は過去最低水準を更新。
声明は、前回1月の内容をほぼ踏襲し、ハト派的な内容で『現行の政策金利水準では、CPIが中期的に目標である2%を下回るリスクがある』と言及。MPCが更なる追加利下げ、あるいは量的緩和を予想されているよりも早い段階で実施することを示唆した。また、景気判断については、信用供与が逼迫していること、第4四半期には生産統計が大幅な悪化を示し、今年1月も各種信頼感指数は同様の落ち込みを示唆する悪化となっていることなどを指摘。
さらに、これまでの利下げ効果や、付加価値税引き下げなどの財政政策の発動、英ポンドの下落が時間の進行とともにかなりの景気刺激効果をもたらすことにも言及し、景気回復への可能性にも僅かながら言及している。
今後の利下げ見通しは、3月も0.50%の利下げがあり、政策金利は0.50%まで低下するとの見方がある。
また、その後11日に発表になった四半期インフレ報告では、各国政府が金融システムの破綻回避に取り組む中、英国景気のリスクは大きく下向きにあるとの認識を示し、GDP成長率とインフレ率の見通しを下方修正した。
四半期インフレ報告によれば英国GDPは2009年第1四半期までに年率-4%となる見込みでインフレ率は2010年末には0.50%に低下すると見込まれている。
キング総裁は、『英国経済は深刻な景気後退にある』との認識を示し、『金融政策の一段の緩和が恐らく必要である』と言及。『これには名目支出てこ入れに向けた通貨供給量の拡大を目指す措置が含まれる公算』と説明。また、『中期的にインフレ率を2%に到達させるという責務を考慮すると、この日発表した見通しは金融政策の一段の緩和が必要となることを示唆している』と言及。今後1年~2年の期間で目標水準(2%)を大幅に下回る可能性を指摘し、追加利下と量的緩和による通貨供給量拡大の必要性を示唆した。
ECBは5日、政策金利(2.00%)を据え置き、3月に0.50%の利下げの可能性を示唆。
ECBの政策金利据え置きは市場の予想通り。声明では、前回の『中期的な価格安定性に対するリスクは概ね均衡している』との表現を削除し、トリシェ総裁は記者会見で『次回理事会で利下げする可能性を排除しない』と言及し、3月に0.50%の追加利下げが行われる可能性を示唆した。
また、トリシェ総裁は『現行の2%は政策金利の下限ではない』、『新しい経済見通しを公表する3月の定例理事会で政策判断を行う』と指摘。追加利下げについては0.50%の幅か伝統的な0.25%の刻みになるのかとの問いに『どちらかと言えば前者だ』と回答し、追加の0.50%の利下げの考えがあることを表明した。しかし、トリシェ総裁は政策金利が低すぎる水準まで低下することにも懸念を示し、『現時点ではゼロ金利が適切とは見なしていない』とも言及した。この発言は前回と同様ながら、『現時点では』という限定句が付けられており、スタンスの変化を指摘する市場参加者もいる。また、非伝統的政策については『無制限の流動性供給やバランスシートの大幅な拡大を始めた時点で我々は既に非伝統的政策に踏み込んでいる。これは9月の危機以前には考えられなかったことである。我々はどんな可能性も排除しない。我々には非伝統的な政策手段を採用することができる』と言及。エコノミストの指摘では、日本や米国と同様に、ECBも非伝統的政策が焦点となる可能性を上げている。しかし、一方でユーロ圏の企業は英米と比較して、銀行貸出の依存度が高いことからECBが社債等の買い入れを行っても企業金融への支援策とはなりにくいとの見方もある。
今後の利下げ見通しは、3月に0.50%の利下げ、そして4~6月期にも0.50%の利下げが行われ、政策金利は1.00%まで低下するとの見方がある。
スウェーデン中銀は11日、1.00%の利下げを行い、政策金利を1.00%とした。
過去4ヶ月で利下げは4回目、利下げ幅は3.75%となった。
声明ではスウェーデン経済が16年ぶりに陥った景気後退からの脱却と融資再開を目指して追加利下げも示唆した。具体的には『レポ金利を2009年に若干さらに引き下げる必要があるかもしれない』と言及。『今回の大幅な利下げと現在の金融政策は、生産と雇用の落ち込みを抑え、2%のインフレ目標を達成するために必要だ。景気の悪化は現在、12月に想定されたよりも一段と悪化する見通しである』との見解を示した。
1.00%の金利水準は、スウェーデン中銀が1週間買いオペ(レポ)金利を政策金利として導入した1994年以降で最低を更新した。
今後の利下げ見通しは、追加の0.50%の利下げが行われ、政策金利は0.50%まで低下するとの見方が多い。
世界の政策金利 (2月27日時点)
日本0.10
米国 0.25
カナダ 1.00
ユーロ 2.00
英国 1.00(-0.50)
豪州 3.25(-1.00)
ニュージーランド 3.50
スイス 0.50
デンマーク 3.00
スウェーデン 1.00(-1.00)
ノルウェー 2.50(-0.50)
ポーランド 4.00(-0.25)
チェコ 1.75(-0.50)
ハンガリー 9.50
イングランド銀行金融政策委員会(MPC)は5日、0.50%の利下げを行い、政策金利を1.00%とした。
0.50%の利下げは市場の予想通り。政策金利の1.00%は過去最低水準を更新。
声明は、前回1月の内容をほぼ踏襲し、ハト派的な内容で『現行の政策金利水準では、CPIが中期的に目標である2%を下回るリスクがある』と言及。MPCが更なる追加利下げ、あるいは量的緩和を予想されているよりも早い段階で実施することを示唆した。また、景気判断については、信用供与が逼迫していること、第4四半期には生産統計が大幅な悪化を示し、今年1月も各種信頼感指数は同様の落ち込みを示唆する悪化となっていることなどを指摘。
さらに、これまでの利下げ効果や、付加価値税引き下げなどの財政政策の発動、英ポンドの下落が時間の進行とともにかなりの景気刺激効果をもたらすことにも言及し、景気回復への可能性にも僅かながら言及している。
今後の利下げ見通しは、3月も0.50%の利下げがあり、政策金利は0.50%まで低下するとの見方がある。
ECBは5日、政策金利(2.00%)を据え置き、3月に0.50%の利下げの可能性を示唆。
ECBの政策金利据え置きは市場の予想通り。声明では、前回の『中期的な価格安定性に対するリスクは概ね均衡している』との表現を削除し、トリシェ総裁は記者会見で『次回理事会で利下げする可能性を排除しない』と言及し、3月に0.50%の追加利下げが行われる可能性を示唆した。
また、トリシェ総裁は『現行の2%は政策金利の下限ではない』、『新しい経済見通しを公表する3月の定例理事会で政策判断を行う』と指摘。追加利下げについては0.50%の幅か伝統的な0.25%の刻みになるのかとの問いに『どちらかと言えば前者だ』と回答し、追加の0.50%の利下げの考えがあることを表明した。しかし、トリシェ総裁は政策金利が低すぎる水準まで低下することにも懸念を示し、『現時点ではゼロ金利が適切とは見なしていない』とも言及した。この発言は前回と同様ながら、『現時点では』という限定句が付けられており、スタンスの変化を指摘する市場参加者もいる。また、非伝統的政策については『無制限の流動性供給やバランスシートの大幅な拡大を始めた時点で我々は既に非伝統的政策に踏み込んでいる。これは9月の危機以前には考えられなかったことである。我々はどんな可能性も排除しない。我々には非伝統的な政策手段を採用することができる』と言及。エコノミストの指摘では、日本や米国と同様に、ECBも非伝統的政策が焦点となる可能性を上げている。しかし、一方でユーロ圏の企業は英米と比較して、銀行貸出の依存度が高いことからECBが社債等の買い入れを行っても企業金融への支援策とはなりにくいとの見方もある。
今後の利下げ見通しは、3月に0.50%の利下げ、そして4~6月期にも0.50%の利下げが行われ、政策金利は1.00%まで低下するとの見方がある。
ノルウェー中銀は4日、0.50%の利下げを行い、政策金利を2.50%とした。
0.50%の利下げは市場の事前予想通り。声明では景気減速が予想以上に深刻化、長期化している懸念が指摘された。しかし、今後の様子見姿勢も示唆されるものとなり、方向感に乏しいとの意見があった。また、中銀は既に実施された大幅な利下げが浸透するまでには時間がかかることも示しており、追加利下げの可能性は残るものの、そのペースは鈍るとの見方がある。一方、景気の大幅な悪化とインフレ率の急速な低下を背景に3月にも0.50%の利下げが行われ、さらに6月までに0.50%の追加利下げがあり、政策金利は1.50%まで低下するとの見方をするエコノミストもいる。
RBA(オーストラリア連邦準備銀行)は3日、1.00%の利下げを行い、政策金利を3.25%とした。
1.00%の利下げは市場の予想通りであったが、前回12月2日の利下げ後の利下げ幅の予想は0.50%がコンセンサスとなっていた。実際、前回の声明では、経済指標に欧米のような深刻な悪化はないという点、実質GDPも鈍化しつつもプラスを維持している点などから、積極的な利下げスタンスには慎重な姿勢が窺えた。しかし、今年に入って、豪州の一次産品の輸入国として経済成長を支えてきた中国が2008年第四四半期の実質GDPが大幅低下となったこと、RBNZ(ニュージーランド中銀)が1.50%の大幅な追加利下げを実施したことなども影響し、利下げ前には1.00%の予想がコンセンサスとなっていた。
スティーブンス総裁は世界経済の大幅な悪化を指摘。中国の経済成長も大きく減速したと言及。世界経済の見通しも弱いとの見方を示した。こうした状況下、豪州経済が受けた悪影響は他の先進国と比較して小さいものながら、金融市場の混乱、世界経済の悪化、商品価格の大幅な下落を受けて豪州の景気信頼感、需要見通しは大きく悪化したと言及。内需は当面抑制的であるとした前回会合の見解を下方修正した。需要の悪化に更に対応するため、政策金利の大幅な追加引き下げが必要と判断したと言及した。また、インフレ見通しについては低下を続けるとの見解で、前回までの通貨安によってインフレ率が豪州中銀の定めるインフレターゲット内に収まるまでの帰還が長引くとの見通しは削除された。
また、利下げに先立って豪州政府は所得給付やインフラ支出などからなる420億豪ドルの財政出動も発表。声明では、今回の金融緩和と財政出動が海外からの豪州経済への後退要因を緩和する一助となると言及。金融緩和バイアスは消滅していないが、見通しが曖昧になったとの指摘がある。一方、市場では政策金利が2.00%まで低下するとの予想が織り込まれつつあるとの見方もあり、意見が分かれている。
1月の世界の政策金利をアップデート!
12月はコメントしている14カ国全ての国で利下げがあったが、1月は、カナダ(0.50%)、ECB(0.50%)、英国(0.50%)、ニュージーランド(1.50%)、デンマーク(0.75%)、ポーランド(0.75%)、ハンガリー(0.50%)の7カ国で利下げが行われた。
イングランド銀行(BOE)は8日、0.50%の利下げを行い、政策金利を1.50%とした。
イングランド銀行(BOE)の0.50%の利下げ幅は市場のコンセンサスとほぼ同じであったが、予想の下限に近いものだった。12月の1.00%、11月の1.5%の利下げ幅には届かなかったものの、これで10月からの利下げ幅は合計で3.50%、信用危機から4.25%となった。
1.50%の政策金利は1694年のイングランド銀行設立以来、過去最低の水準である。
英ポンドが大きく下落していたことから0.50%よりも大幅な利下げに対して慎重な意見がMPC(金融政策委員会)内で議論されたようである。
声明文では『家計および企業向けの与信はともに一段と逼迫し、非金融部門への融資の流れを拡大させる追加措置が必要であることを示している』、『今年初めの生産は引き続き、急激に減少する公算が大きい』などの認識を示唆した。
また、声明文では政策金利がゼロの水準になったときの量的緩和についての具体的な言及はなかったが、英財務省とイングランド銀行の現在の議論はそうした可能性もあることを示唆。米国FRB同様に英国債、MBSなどの買い入れを中心とした量的緩和策(バランスシート拡大)を測る可能性が高いとの指摘がある。
住宅市場の大幅な下落と金融セクターの混乱を契機に、英国経済の後退色は強い。また、労働市場の急速な悪化もあり、今後もイングランド銀行の追加利下げが予想され、政策金利は3月までに0.50%まで引き下げられるとの見方も根強い。さらに0%に近づく可能性も指摘されている。
市場では0.75%や1.00%の利下げを予想していた向きもあり、英ポンドは大きく上昇(一時+1.3%)した。また、債券相場は利下げを受けて上昇(金利低下)した。
ECBは15日に予想通り0.50%の利下げ、政策金利を2.00%とした。
利下げは昨年10月の協調利下げ以来4ヶ月連続で利下げ幅は合計で2.25%となった。
また、2.00%の政策金利は2003年6月から2年半続いたユーロ発足後の最低水準と並ぶもの。市場関係者の指摘では、ECBが2003年に2%まで政策金利を引き下げたのは誤りであったと考えているため、今回の利下げ局面では2.25%にとどめるとする見方もあったが、直前のコンセンサスでは0.50%の利下げ幅を織り込む動きとなっていた。
トリシェECB総裁は理事会後の記者会見で、理事会が今回の利下げを先送りする選択肢も議論したことを明らかにしたが、『2%は歴史的最低水準だが、政策金利の下限ではない』とコメントし、追加利下げ実施の可能性を示唆した。しかし、『流動性の罠に陥るつもりはない、また、我々は事前予告をしない』として、市場の大幅追加利下げ観測を牽制した。これは、『次回の重要な会合は3月であり、2月ではない』と言及し、3週間後に開催される2月のECB理事会での利下げ見送りと利下げ実施が3月に持ち越されることを示唆したことと併せて、ECBが市場の過剰な利下げ期待を抑え、短期的な金利据え置き期間を設けたい意向が窺える。
さらに、トリシェ総裁は『0.50%の利下げは、直近の経済指標のみならず、先行きの成長減速をも考慮したものだ。直近のECB職員による予測数値と比較してより深刻な成長減速を予想している』として、景気の更なる悪化を既に計算に入れていることを表明したものの、行間には、一旦の政策金利の打ち止め感を匂わすようなニュアンスが読み取れなくもない。
物価見通しについては『商品市況の低下と需要の鈍化から、圏内のインフレ圧力はさらに低下することが予想される』としながらも、『中期的な価格安定性に対するリスクは概ね均衡している』と言及。ちなみにこの日発表されたユーロ圏12月HICP確報値は11月の2.1%から1.6%に低下、コアHICPも1.9%から1.8%に低下したが、これはECBが目標とする2%を下回り、2006年10月以来の低水準となっている。エコノミストの指摘では、ドイツ、フランスなどのコア国に対して、スペイン、アイルランド、ポルトガルなどの周辺国が著しい物価下落圧力に直面していることから物価見通しを『均衡している』とするECBの判断は楽観的すぎるとのコメントも見られた。
今後の追加利下げについては、3月も0.50%の利下げが行われるものの、ECBはゼロ金利まで利下げを行う可能性は低く、1.50%で打ち止めとする見方がある一方、今年の第二四半期にかけて1.00%まで引き下げるとする見方もあり、意見が分かれている。
ユーロ相場は、ECBの追加利下げの可能性示唆から一時1.3026まで下落したものの、その後は買い戻しが入り、1.3115(-0.58%)でNY市場の引けを迎えている。一方、対円では、ユーロ円は117.87(+0.35%)と上昇している。
債券相場は、ドイツ国債でみると、2年債が1.525%(+3.2bp)と金利上昇したが、それ以外は5年債2.195%(-3.1bp)、10年債2.890%(-4.8bp)、30年債3.773%(-3.1bp)と金利低下(相場上昇)となった。また、蛇足ながら10年債券利回りは、小生が1年半前に予測した2.8%台の水準となり(欧州系証券会社のエコノミストとの勉強会で、2.8%の予測を表明したところ大変驚いていた)、市場最高値を更新した。
カナダ中銀(BOC)は19日に0.50%の利下げを行い、政策金利を1.00%とした。
市場参加者の一部では0.75%の利下げを予想する意見もあったが、これで過去最低水準にある政策金利は一段と低下し、1.00%となった。
声明文では金融危機が実体経済に及ぶ中、世界経済が大きく悪化したと指摘。輸出が急速に減少している点、内需も実質所得や資産の減少、企業や家計の景況感悪化に伴い縮小している点が現況判断として示唆された。
全般的な緩和バイアスは維持されているが、12月までの『一段の景気刺激策が必要である』に対して、『今後、金融面からどの程度の刺激策が必要かを判断するために経済・金融情勢を注意深く見守っていく』に変更され、前回までの大幅な追加利下げ期待を醸成するスタンスではなかった。これはカナダドル安に一定の配慮をした面、1%よりも下の政策金利実施に一定の猶予期間を設けたい意向などがあるものと考えられる。
先行きの見通しについては、GDP成長は2009年が+1.2%と低下するものの、2010年はこれまでの景気対策の効果とカナダドル安の影響から+3.8%への回復を予測し、小幅ながら昨年10月の予想を上方修正した。インフレ見通しは2009年第四四半期にかけてコアCPIが+1.1%、総合CPIでは2009年内にマイナスに転換し、インフレターゲットの2%達成は2011年上半期との見通しに改定された。
今後の利下げ見通しは、今回の利下げ幅が0.50%にとどまったことから次回3月は0.25%ではなく、0.50%との見方が台頭している。
ハンガリー中銀は20日、0.50%の利下げを行い、政策金利を9.50%とした。
ハンガリー中銀は緩和バイアスを維持した。声明文では景気後退が予想以上に厳しいとの見方が示唆されており、今後も利下げが繰り返されるものと考えられる。政策金利は第一四半期に8.00%まで低下し、年末には5.00%まで低下すると見る市場参加者もいる。
FOMCでは28日FFレート(0~0.25%)の据え置きと量的緩和の継続が確認された。しかし、長期国債の買い入れは見送り。
FOMCの据え置きは市場の予想通りで資金供給オペなどを通じて『FRBのバランスシートを高水準に維持する』ことを示唆し、前回12月のFOMCで追認した量的緩和の継続が改めて確認。信用市場と経済活動を下支えする意向が示された。声明文の冒頭では『経済活動に鑑みると、異例なほど低いFFレート水準は暫くの間正当化されよう』と指摘し、時間軸効果を前回の声明文よりも強調した。
今後数四半期にかけて政府機関債、MBS(住宅ローン担保証券)の買い入れ増額の意向も示唆された。また、民間信用市場の改善に特に効果があると思われる局面では、長期国債を買い入れる用意があると言及した。さらに、ターム資産担保証券貸出制度(TALF)も創設され、家計および企業への信用供与が促進される意向である。
景気見通しは前回よりもさらに懸念され、インフレについても『インフレ圧力は向こう数四半期抑制されたままであろう』、『暫くの間インフレは長期的な視点から経済成長や物価安定を促すのに適当な水準を下回るリスクがある』との言及があった。実質金利が高くなることが懸念され、今後も追加的な政策対応の可能性があるものと考えられる。
ラッカー・リッチモンド連銀総裁は、FOMCが速やかに米国債の買い入れを開始するべきであるとの見方を表明(マネタリーベースの拡大を主張)して今回の様子見的な決定に反対票を投じた。米国債相場は、国債買い入れが実施されなかったことで失望売りとなり、急落した。
ニュージーランド連邦準備銀行(RBNZ)は28日に1.50%の利下げを行い、政策金利を3.00%とした。
利下げ幅は市場予想の1.00%を上回る大幅なものであった。RBNZはこの3ヶ月で合計4.00%の利下げを実施したことになる。
中銀は緩和バイアスを維持したが、政策会合後の記者会見でボラード総裁は、追加利下げは今回より小幅になるとの見方を示した。
市場では政策金利が2.50%まで低下するとの見方が織り込まれつつある状況となっている。
ポーランド中銀(NBP)は28日に0.75%の利下げを行い、政策金利を4.25%とした。
利下げ幅は市場の予想よりも大幅なものであった。前回の利下げと同様に国内経済の減速懸念の高まりや欧州各国の大幅利下げ実施がポーランド中銀の大幅利下げに繋がった。市場関係者のこれまでの指摘では、ポーランドズロチ安や2009年4~6月期にERM-Ⅱに移行する見込みが高いことから追加利下げ余地は限られ、政策金利は当面据え置きとの見方があった、一方次回にも0.50%の追加利下げがあり、4~6月中に3.00%まで低下するとの見方も浮上している。
世界の政策金利 (1月30日時点)
日本0.10
米国 0.25
カナダ 1.00(-0.50%)
ユーロ 2.00(-0.50)
英国 1.50(-0.50)
豪州 4.25
ニュージーランド 3.50(-1.50%)
スイス 0.50
デンマーク 3.00(-0.75)
スウェーデン 2.00
ノルウェー 3.00
ポーランド 4.25(-0.75)
チェコ 2.25
ハンガリー 9.50(-0.50)
カナダ中銀(BOC)は19日に0.50%の利下げを行い、政策金利を1.00%とした。
市場参加者の一部では0.75%の利下げを予想する意見もあったが、これで過去最低水準にある政策金利は一段と低下し、1.00%となった。
声明文では金融危機が実体経済に及ぶ中、世界経済が大きく悪化したと指摘。輸出が急速に減少している点、内需も実質所得や資産の減少、企業や家計の景況感悪化に伴い縮小している点が現況判断として示唆された。
全般的な緩和バイアスは維持されているが、12月までの『一段の景気刺激策が必要である』に対して、『今後、金融面からどの程度の刺激策が必要かを判断するために経済・金融情勢を注意深く見守っていく』に変更され、前回までの大幅な追加利下げ期待を醸成するスタンスではなかった。これはカナダドル安に一定の配慮をした面、1%よりも下の政策金利実施に一定の猶予期間を設けたい意向などがあるものと考えられる。
先行きの見通しについては、GDP成長は2009年が+1.2%と低下するものの、2010年はこれまでの景気対策の効果とカナダドル安の影響から+3.8%への回復を予測し、小幅ながら昨年10月の予想を上方修正した。インフレ見通しは2009年第四四半期にかけてコアCPIが+1.1%、総合CPIでは2009年内にマイナスに転換し、インフレターゲットの2%達成は2011年上半期との見通しに改定された。
今後の利下げ見通しは、今回の利下げ幅が0.50%にとどまったことから次回3月は0.25%ではなく、0.50%との見方が台頭している。
ECBは15日に予想通り0.50%の利下げを行い、政策金利を2.00%とした。
利下げは昨年10月の協調利下げ以来4ヶ月連続で利下げ幅は合計で2.25%となった。
また、2.00%の政策金利は2003年6月から2年半続いたユーロ発足後の最低水準と並ぶもの。市場関係者の指摘では、ECBが2003年に2%まで政策金利を引き下げたのは誤りであったと考えているため、今回の利下げ局面では2.25%にとどめるとする見方もあったが、直前のコンセンサスでは0.50%の利下げ幅を織り込む動きとなっていた。
トリシェECB総裁は理事会後の記者会見で、理事会が今回の利下げを先送りする選択肢も議論したことを明らかにしたが、『2%は歴史的最低水準だが、政策金利の下限ではない』とコメントし、追加利下げ実施の可能性を示唆した。しかし、『流動性の罠に陥るつもりはない、また、我々は事前予告をしない』として、市場の大幅追加利下げ観測を牽制した。これは、『次回の重要な会合は3月であり、2月ではない』と言及し、3週間後に開催される2月のECB理事会での利下げ見送りと利下げ実施が3月に持ち越されることを示唆したことと併せて、ECBが市場の過剰な利下げ期待を抑え、短期的な金利据え置き期間を設けたい意向が窺える。
さらに、トリシェ総裁は『0.50%の利下げは、直近の経済指標のみならず、先行きの成長減速をも考慮したものだ。直近のECB職員による予測数値と比較してより深刻な成長減速を予想している』として、景気の更なる悪化を既に計算に入れていることを表明したものの、行間には、一旦の政策金利の打ち止め感を匂わすようなニュアンスが読み取れなくもない。
物価見通しについては『商品市況の低下と需要の鈍化から、圏内のインフレ圧力はさらに低下することが予想される』としながらも、『中期的な価格安定性に対するリスクは概ね均衡している』と言及。ちなみにこの日発表されたユーロ圏12月HICP確報値は11月の2.1%から1.6%に低下、コアHICPも1.9%から1.8%に低下したが、これはECBが目標とする2%を下回り、2006年10月以来の低水準となっている。エコノミストの指摘では、ドイツ、フランスなどのコア国に対して、スペイン、アイルランド、ポルトガルなどの周辺国が著しい物価下落圧力に直面していることから物価見通しを『均衡している』とするECBの判断は楽観的すぎるとのコメントも見られた。
今後の追加利下げについては、3月も0.50%の利下げが行われるものの、ECBはゼロ金利まで利下げを行う可能性は低く、1.50%で打ち止めとする見方がある一方、今年の第二四半期にかけて1.00%まで引き下げるとする見方もあり、意見が分かれている。
ユーロ相場は、ECBの追加利下げの可能性示唆から一時1.3026まで下落したものの、その後は買い戻しが入り、1.3115(-0.58%)でNY市場の引けを迎えている。一方、対円では、ユーロ円は117.87(+0.35%)と上昇している。
債券相場は、ドイツ国債でみると、2年債が1.525%(+3.2bp)と金利上昇したが、それ以外は5年債2.195%(-3.1bp)、10年債2.890%(-4.8bp)、30年債3.773%(-3.1bp)と金利低下(相場上昇)となった。また、蛇足ながら10年債券利回りは、小生が1年半前に予測した2.8%台の水準となり(欧州系証券会社のエコノミストとの勉強会で、2.8%の予測を表明したところ大変驚いていた)、市場最高値を更新した。
イングランド銀行(BOE)は8日、0.50%の利下げを行い、政策金利を1.50%とした。
イングランド銀行(BOE)の0.50%の利下げ幅は市場のコンセンサスとほぼ同じであったが、予想の下限に近いものだった。12月の1.00%、11月の1.5%の利下げ幅には届かなかったものの、これで10月からの利下げ幅は合計で3.50%、信用危機から4.25%となった。
1.50%の政策金利は1694年のイングランド銀行設立以来、過去最低の水準である。
英ポンドが大きく下落していたことから0.50%よりも大幅な利下げに対して慎重な意見がMPC(金融政策委員会)内で議論されたようである。
声明文では『家計および企業向けの与信はともに一段と逼迫し、非金融部門への融資の流れを拡大させる追加措置が必要であることを示している』、『今年初めの生産は引き続き、急激に減少する公算が大きい』などの認識を示唆した。
また、声明文では政策金利がゼロの水準になったときの量的緩和についての具体的な言及はなかったが、英財務省とイングランド銀行の現在の議論はそうした可能性もあることを示唆。米国FRB同様に英国債、MBSなどの買い入れを中心とした量的緩和策(バランスシート拡大)を測る可能性が高いとの指摘がある。
住宅市場の大幅な下落と金融セクターの混乱を契機に、英国経済の後退色は強い。また、労働市場の急速な悪化もあり、今後もイングランド銀行の追加利下げが予想され、政策金利は3月までに0.50%まで引き下げられるとの見方も根強い。さらに0%に近づく可能性も指摘されている。
市場では0.75%や1.00%の利下げを予想していた向きもあり、英ポンドは大きく上昇(一時+1.3%)した。また、債券相場は利下げを受けて上昇(金利低下)した。
12月の世界の政策金利をアップデート!
12月はコメントしている全ての国で利下げがあった。しかも、利下げ幅が予想を上回る大幅なものが目立った。12月は、日本(0.20%)、米国(0.75%)、カナダ(0.75%)、豪州(1.00%)、ニュージーランド(1.50%)、ECB(0.75%)、英国(1.00%)、スイス(0.5%)、スウェーデン(1.75%)、ノルウェー(1.75%)、デンマーク(1.25%)、ポーランド(0.75%)、チェコ(0.5%)、ハンガリー(1.00%)の利下げが行われた。
RBA(オーストラリア連邦準備銀行)は2日、1.00%の利下げを行い、政策金利を4.25%とした。
1月に定例理事会はないが、経済指標に欧米のような深刻な悪化ないという点、実質GDPも鈍化しつつもプラスを維持している点などから現在市場が織り込もうとしている2.5%ではなく、3.75%で打ち止めとの見方もある。この場合、2月に0.5%の利下げが行われ、政策金利は3.75%まで低下するとの予想が多い。市場の利下げ予想は織り込み過ぎとの見方がある一方、グローバルな景気後退から一段の利下げが必要となり、3%近くまで利下げが行われるとの見方もあり、意見が分かれている。
RBNZ(ニュージーランド連邦準備銀行)は3日、1.50%の利下げを行い、政策金利は5.00%とした。
声明文では金融政策は需要下支え型となったと述べているものの、緩和バイアスは維持されている。同時に発表された金融政策報告では第4四半期GDPは小幅ながらプラス成長に戻り、3月までの年度全体では+1.3%のプラスの成長を見込む楽観的な内容が示された。しかし、この予想は輸入の低迷と公的支出の増加によるものと言及している。市場では政策金利は4.0%まで引き下げられるとの見方が多い。
スウェーデン中銀は4日、1.75%の大幅利下げを行い、政策金利を2.00%とした。
緊急理事会での利下げであった。スウェーデン中銀は9月に0.25%の利上げをし、10月から0.50%の利下げを2回実施したことで利下げサイクルに転換。11月の英中銀の1.50%の利下げを上回る1.75%の利下げを行い、市場にサプライズなり下げとなった。声明文では政策金利は来年にかけて据え置きと言及している。市場関係者の指摘では、景況感の悪化とともに更なる追加利下げの可能性があり、政策金利は1.50%まで低下するとの見方がある。
ECBは4日に予想通り0.75%の利下げを行い、政策金利を2.50%とした。
理事会後の記者会見では、量的緩和の可能性について質問があり、トリシェ総裁はECBは既にバランスシートを拡張して積極的に流動性供給を行っていると言及。新たな枠組みの決断ガ必要煮なればそうするだろうと示唆した。また、資産の買い入れについてもありうるとの見解を示した。今後については、ECBの委員の中では追加利下げを牽制する発言が見られるものの、ユーロ圏の景気後退は深刻で、ECBは1月にも0.5%の追加利下げを行う可能性があるとの見方が多い。また、政策金利は1.5%まで低下すると予想するエコノミストもいる。
記者会見では今回の決定が全会一致であり、0.75%の利下げも検討されていたことを明らかにした。また、更なる追加利下げの可能性も否定せず、政策判断については12月の定例理事会に発表される新しい経済見通しを重視する姿勢が示唆された。
0.5%の利下げは市場のコンセンサス通りであり、一部に予想されていた1%より小さくやや失望感が漂うものであった。
メルシュECB理事は、景気減速は認識しているものの、今回の利下げは物価安定維持政策と足並みを揃えた措置であることを示唆した。
声明文では、物価安定の見通しが改善されていることが示唆された。またインフレ率の2%割れは10月時点の予想であった2010年初頭から2009年中に変更された。さらに、ECBは、金融市場の動揺でグローバルおよびユーロ圏の需要が長期間低迷すると予測している。
今後の追加利下げについては、12月も利下げが行われるかは四半期経済見通し改定の内容によるものの、市場では12月も追加の0.5%の利下げが行われるとの見方が多い。さらに1月も0.25%の利下げが行われ、政策金利は2.25%まで引き下げられて底を打つとの指摘をするエコノミストもいる。市場関係者の指摘では、ECBが2003年に2%まで政策金利を引き下げたのは誤りであったと考えているため、今回の利下げ局面では2.25%にとどめるとする見方もある一方、2%やそれよりも低い水準まで引き下げるとする見解もある。
英中銀(BOE)は4日、予想通り1.00%の利下げを行い、政策金利を2.00%とした。
英中銀(BOE)の11月の1.5%の利下げ幅に続く大幅名利下げとなった。これで10月からのり下げ幅は合計で3.00%となった。声明文では先行きについては、これまでの大幅なポンド安や政府の対GDP比1%の財政出動による景気下支え効果にも期待しているものの、マネーと信用市場が極度に逼迫しているとの判断を示した。市場関係者の指摘では1月と2月にそれぞれ0.50%の追加利下げがあるとの見方が多い。しかし、1月に一気に1.00%の利下げとなる可能性もあり、政策金利は1.00%まで低下するとの見解が多く見られる。一方、英中銀は景気後退色の強まり、労働市場の大幅悪化などから1月と2月にそれぞれ0.75%の追加利下げを行い、政策金利は0.5%まで低下するとの見解も見られる。
また、英中銀も米国FRB同様に英国債、MBSなどの買い入れを中心とした量的緩和策を測る可能性が高いとの指摘がある。
カナダ中銀は9日、予想外の0.75%の利下げを行い、政策金利は1.5%となった。
声明文ではさらなる金融面からの景気下支えがどれだけ必要であるか見極めるべく経済・金融情勢を注視していくと言及し、緩和バイアスが維持された。カナダ中銀はまた、カナダ経済が秋の初めまで持ちこたえたものの、景気後退局面に入りつつあるとの見解を示した。市場では1月にも0.25%の追加利下げがあり、2009年第一四半期までに政策金利は1.0%まで低下するとの見方がある。
スイス中銀(SNB)は11日に0.50%の利下げを行い、政策金利を0.50%とした。
スイス中銀の利下げは10月8日(協調利下げ)、11月6日、11月20日の緊急利下げに続く4回目。
この9週間で利下げ幅は0.25%、0.50%。1.00%、0.50%で、合計は2.25%となり、3ヶ月物LIBORの誘導目標の中心目標は0.50%(レンジは0.00%~1.00%)となった。
スイス中銀はスイスの経済成長が2009年には-0.5%と予測。また、インフレ見通しを従来の1.9%から0.9%に下方修正した。
今回の利下げは景気後退への強い懸念を示すものとして市場にシグナルを送ったものと考えられる。声明文ではスイスの短期金融市場に十分且つ柔軟に流動性を供給する方針が示唆されたが、利下げ余地が限定的(前回の利下げサイクル時である2001年~2003年では、政策金利は0.25%まで引き下げていた)となっていることから、今後は一段の利下げよりも流動性供給に注力する方針とみられる。
ノルウェー中銀は17日、1.75%の大幅利下げを行い、政策金利を3.00%とした。
市場予想を大幅に上回る利下げ幅であり、声明文では国内外の経済見通しが大幅に悪化し、インフレ見通しが予想以上に早いペースで後退したと言及。今後も追加利下げがあり、政策金利は2009年半ばまでに1.0%まで低下すると見る市場参加者もいる。
FOMCでは16日、0.75%の利下げを行い、政策金利は0~0.25%となった。
今回の利下げは2007年9月以降、10回目の利下げで、2003年から2004年6月まで続いた1%の政策金利を大きく下回る。今回の利下げも全会一致での決定となった。
今回の利下げでは、①FFレートの誘導目標を0~0.25%と大幅に引き下げること。②FFレートはしばらくの間、低水準に保たれると宣言したこと。③政府機関債、政府機関MBS、そして長期国債の買入検討を含む量的緩和のスタンスを明確にしたこと。以上の3点が大きな特徴である。
②の低金利政策の長期化を宣言した『時間軸』と③のFRBのバランスシートの高水準維持という『量的緩和』の意思を示唆したことは強いアナウンスメント効果があると考えられる。ただし、今回の利下げ以前からFFレートの実行金利は既に目標値を大幅に下回る状態(0.1%台)が続いていたことから、今回の利下げは、有名無実化していた1%という誘導目標を実態ベースに合わせた措置とも考えられる。今回実質ゼロ金利を宣言し、かつての日銀のような量的緩和と時間軸効果を強調したことから、米国金利は2009年第三四半期頃まではこの緩和スタンスを維持するとの指摘が多い。
市場関係者の指摘によれば日本の報道機関の中には誘導目標の下限が0%であることに着目して『ゼロ金利政策』と書いてあるところが複数あったが、厳密にはゼロ金利政策とはいえないという。FRB高官はFOMC終了後に、『FF金利の0~0.25%は市場の機能にとり有益』、そして『日本の量的緩和と比較して、FRBの行動は特徴的』とコメントしている。MMF市場からの資金流出を回避したい点、あるいは日本の量的緩和政策の下で短期金融市場の機能が低下した点を考慮に入れた措置と考えられる。
また、これに付随してFRBは公定歩合を0.75%引き下げ0.5%とすることを全会一致で決定した。
声明文の要旨は以下の通り、
『前回会合以降に労働条件は悪化し、消費支出、企業投資、鉱工業生産が減少したことを示している。金融市場は引き続きかなりの緊張化にあり、信用条件はタイトとなっている。総じて経済活動に対する見通しはさらに弱体化した』
『一方で、インフレ圧力は大きく後退した。エネルギーおよび他の商品市況の価格低下と経済活動の見通しの弱体化から、今後数四半期でインフレはさらに低下する』
『あらゆる利用可能な手段を用いて持続的な経済成長の復活と価格安定性の維持を促すことになる。とりわけ、委員会は経済諸条件の弱体化に、鑑みてしばらくの間FFレートを異例に低い水準に維持することを見込む』
『今後の焦点はFRBのバランスシートの規模を高水準に維持するところ公開市場操作およびその他の諸策を通して金融市場の機能を支援し、経済に刺激効果を与えることにある。向こう数四半期にかけてモーゲージおよび住宅市場を支えることを目的として大量の政府機関債とMBSの購入を拡大する準備がある。また、長期国債を購入することの潜在的な利点をも検討している。来年の早い時期に家計と小規模企業に向けた信用供与の拡大を促進するためTerm Asset-backed Securities Loan Facility を実施することとする。FRBは信用市場と経済活動を支援するために引き続きそのバランスシートを用いる方法を検討していく』
今回の利下げと低金利長期化宣言、長期国債買入検討表明から債券市場は大暴騰。10年債利回りは0.25%低下の2.262%、30年債利回りは0.22%低下の2.735%となった。
日本銀行は21日に0.20%の利下げを行い、翌日物金利を0.10%とした。
金融政策委員会は①翌日物金利を0.20%引き下げて0.10%とし、②国債買い入れ額を現在の月1.2兆円から月1.4兆円に増額し、③時限的CP買い入れを含めた企業金融面での追加措置の導入を決定した。声明文では、景気が悪化しており、当分厳しい状況が続く可能性が高く、世界経済の減速や国際金融資本市場の動揺を踏まえると、日本経済の回復に向けた条件が整うには相応の時間を要するとの判断が示された。
日銀は2009年3月ころまで利下げの選択肢を温存したかったものと考えられるが、米国発の金融危機、国内景気後退、円高などへの対応から利下げに踏み切らざるをえなかったものと考えられる。
ポーランド中銀(NBP)は23日、0.75%の利下げを行い、政策金利を5.00%とした。
利下げ幅は市場の予想よりも大幅なものであった。市場参加者の中には、他の欧州の新興国対比では慎重なペースでの追加利下げが行われるとの指摘もあった。しかし、事前に発表となった小売売上高は10月の前年比+7.9%から11月には同+2.7%に大きく減速するなど国内経済の減速懸念が強まっていることや欧州各国の大幅利下げがポーランド中銀の大幅利下げの決断に繋がった模様である。エコノミストの指摘では、ポーランドズロチ安や2009年4~6月期にERM-Ⅱに移行する見込みが高いことから追加利下げ余地は限られ、政策金利は当面据え置きとの見方も多い。
世界の政策金利 (12月30日時点)
日本0.10(-0.20)
米国 0.25(-0.75%)
カナダ 1.50(-0.75%)
ユーロ 2.50(-0.75)
英国 2.00(-1.00)
豪州 4.25(-1.00)
ニュージーランド 5.00(-1.50%)
スイス 0.50 (-0.50)
デンマーク 3.75(-1.25)
スウェーデン 2.00(-1.75%)
ノルウェー 3.00(-1.75%)
ポーランド 5.00(-0.75)
チェコ 2.25(-0.50)
ハンガリー 10.00(-1.00)
今回の利下げは2007年9月以降、10回目の利下げで、2003年から2004年6月まで続いた1%の政策金利を大きく下回る。今回の利下げも全会一致での決定となった。
今回の利下げでは、①FFレートの誘導目標を0~0.25%と大幅に引き下げること。②FFレートはしばらくの間、低水準に保たれると宣言したこと。③政府機関債、政府機関MBS、そして長期国債の買入検討を含む量的緩和のスタンスを明確にしたこと。以上の3点が大きな特徴である。
②の低金利政策の長期化を宣言した『時間軸』と③のFRBのバランスシートの高水準維持という『量的緩和』の意思を示唆したことは強いアナウンスメント効果があると考えられる。ただし、今回の利下げ以前からFFレートの実行金利は既に目標値を大幅に下回る状態(0.1%台)が続いていたことから、今回の利下げは、有名無実化していた1%という誘導目標を実態ベースに合わせた措置とも考えられる。今回実質ゼロ金利を宣言し、かつての日銀のような量的緩和と時間軸効果を強調したことから、米国金利は2009年第三四半期頃まではこの緩和スタンスを維持するとの指摘が多い。
市場関係者の指摘によれば日本の報道機関の中には誘導目標の下限が0%であることに着目して『ゼロ金利政策』と書いてあるところが複数あったが、厳密にはゼロ金利政策とはいえないという。FRB高官はFOMC終了後に、『FF金利の0~0.25%は市場の機能にとり有益』、そして『日本の量的緩和と比較して、FRBの行動は特徴的』とコメントしている。MMF市場からの資金流出を回避したい点、あるいは日本の量的緩和政策の下で短期金融市場の機能が低下した点を考慮に入れた措置と考えられる。
また、これに付随してFRBは公定歩合を0.75%引き下げ0.5%とすることを全会一致で決定した。
声明文の要旨は以下の通り、
『前回会合以降に労働条件は悪化し、消費支出、企業投資、鉱工業生産が減少したことを示している。金融市場は引き続きかなりの緊張化にあり、信用条件はタイトとなっている。総じて経済活動に対する見通しはさらに弱体化した』
『一方で、インフレ圧力は大きく後退した。エネルギーおよび他の商品市況の価格低下と経済活動の見通しの弱体化から、今後数四半期でインフレはさらに低下する』
『あらゆる利用可能な手段を用いて持続的な経済成長の復活と価格安定性の維持を促すことになる。とりわけ、委員会は経済諸条件の弱体化に、鑑みてしばらくの間FFレートを異例に低い水準に維持することを見込む』
『今後の焦点はFRBのバランスシートの規模を高水準に維持するところ公開市場操作およびその他の諸策を通して金融市場の機能を支援し、経済に刺激効果を与えることにある。向こう数四半期にかけてモーゲージおよび住宅市場を支えることを目的として大量の政府機関債とMBSの購入を拡大する準備がある。また、長期国債を購入することの潜在的な利点をも検討している。来年の早い時期に家計と小規模企業に向けた信用供与の拡大を促進するためTerm Asset-backed Securities Loan Facility を実施することとする。FRBは信用市場と経済活動を支援するために引き続きそのバランスシートを用いる方法を検討していく』
今回の利下げと低金利長期化宣言、長期国債買入検討表明から債券市場は大暴騰。10年債利回りは0.25%低下の2.262%、30年債利回りは0.22%低下の2.735%となった。まさに債券バブルである。値頃感や高値警戒感では図れない、100年に一度の金融危機、大恐慌であることから、債券利回りも100年に一度の水準まで下がる(債券価格は上昇)のだろう。
債券相場は早く、そして大きく動いている。知識ばかり詰め込んで相場観の足りない頭でっかちの経験の少ない若手ファンドマネージャーは相場の動きが2Σの範囲ではなく、10Σが起こっていること、そして今後も起こりうることを学んで欲しいと考えている。
11月の世界の政策金利をアップデート! FOMC、MPC議事録
11月は豪州(0.75%)、ECB(0.5%)、英国(1.5%)、スイス(0.5%と1.00%の合計1.5%)、デンマーク(0.5%)、チェコ(0.75%)、ポーランド(0.25%)ハンガリー(0.5%)の利下げが行われた。また、FOMC、MPC議事録ではハト派的な内容が公表された。
RBAオーストラリア連邦準備銀行は0.75%の利下げを行い、政策金利を5.25%とした。
RBA、オーストラリア連邦準備銀行は4日、政策金利を0.75%引き下げ、5.25%とした。今回の利下げは、先月の1%の利下げ同様、市場の事前予想の0.5%を上回る大幅な利下げとなった。これで9月からの3度の利下げが実施され、利下げ幅は合計で2%となった。
RBAはグローバルな金融市場混乱の中、オーストラリア経済活動の見通しが弱まったとして、事前の市場予想を上回る大幅追加利下げを行った。
スティーブンス総裁のスピーチは、アジア太平洋地域の景気減速と世界的な景気悪化に焦点を当てたもので、『オーストラリアのインフレがまもなく低下し始めるとかんがえるのが合理的である』と言及。先週のバッテリー副総裁のインフレ警戒的な発言による一時的な大幅追加利下げ観測の後退から一変した。
RBAの具体的な経済見通しは、来週の四半期金融政策報告を待つことになるが、商品市況の低迷と海外の景気後退懸念の影響を反映したものとなると考えられる。
市場では12月に追加の0.5%、中には0.75%の利下げがあるとみるエコノミストもいる。さらに来年前半にかけて追加の利下げがあり、最終的に4.5%~4%で政策金利のボトムをつけるとの予想が多い。
ECBは6日に予想通り0.5%の利下げを行い、政策金利を3.25%とした。
ECBは緩和バイアスを維持し、トリシェ総裁の記者会見では今回の決定が全会一致であり、0.75%の利下げも検討されていたことを明らかにした。また、更なる追加利下げの可能性も否定せず、政策判断については12月の定例理事会に発表される新しい経済見通しを重視する姿勢が示唆された。
0.5%の利下げは市場のコンセンサス通りであり、一部に予想されていた1%より小さくやや失望感が漂うものであった。
メルシュECB理事は、景気減速は認識しているものの、今回の利下げは物価安定維持政策と足並みを揃えた措置であることを示唆した。
声明文では、物価安定の見通しが改善されていることが示唆された。またインフレ率の2%割れは10月時点の予想であった2010年初頭から2009年中に変更された。さらに、ECBは、金融市場の動揺でグローバルおよびユーロ圏の需要が長期間低迷すると予測している。
今後の追加利下げについては、12月も利下げが行われるかは四半期経済見通し改定の内容によるものの、市場では12月も追加の0.5%の利下げが行われるとの見方が多い。さらに1月も0.25%の利下げが行われ、政策金利は2.25%まで引き下げられて底を打つとの指摘をするエコノミストもいる。市場関係者の指摘では、ECBが2003年に2%まで政策金利を引き下げたのは誤りであったと考えているため、今回の利下げ局面では2.25%にとどめるとする見方もある一方、2%やそれよりも低い水準まで引き下げるとする見解もある。
英中銀(BOE)は6日、予想外の1.5%の利下げを行い、政策金利を3.00%とした。
英中銀(BOE)の1.5%の利下げ幅は1984年8月以来最大、そして3%の政策金利は1995年以来の低水準となる。また、1.5%の利下げは1980年夏の2%に続く幅である。
市場では、最大でも1%の利下げを予想していたことから、コンセンサスを上回るサプライズな利下げ幅となった。
今回の大幅な利下げの背景には、これまでのインフレ見通しを急速にデフレ警戒へとシフトさせるほどの大きな景気下方プレッシャーが顕在化しつつあることが指摘されている。
声明文ではインフレリスクの大幅な後退と経済見通しの大幅悪化が言及された。また、金融市場はこの100年で尤も深刻な動揺に見舞われたとして、世界的な銀行への資本注入とインターバンク債務の保証で緊張は緩和に向かったものの、家計や企業の信用のアベイラビリティーはまだ制約があるとの見解を示した。また、銀行によっては政策金利引下げも住宅ローンを含む貸出金利に反映させていない姿勢が存在することを示唆している。
今後の追加利下げについては、12月と1月に0.5%の追加利下げが行われ、政策金利は2%でそこをつけるとの見方がある一方、1.5%まで引き下げられるとの見方をするエコノミストもいる。
スイス中銀(SNB)は6日、臨時の金融政策決定会合を行い、0.5%の緊急利下げを行い、政策金利を2.00%とした。
スイス中銀の緊急利下げは10月8日に続き、2回連続となる。
声明文では世界の経済見通しが予想以上に悪化し、2009年にはマイナス成長になるとの見通しが言及された。また、インフレについては、スイスフラン高や原油価格の下落で低下しつつあるとの見方が示された。
スイス中銀(SNB)は20日に1%の緊急利下げを行い、政策金利を1.00%とした。
スイス中銀の緊急利下げは10月8日(協調利下げ)、11月6日に続き、3回連続となる。
この6週間で3回の緊急利下げを行っており、利下げ幅は0.25%、0.50%。1.00%と拡大し、
市場にはサプライズな緊急利下げとなった。スイス中銀の一回の利下げ幅としては金融調節手段として3ヶ月物LIBORを誘導目標として導入した2000年以来で最大となった。
声明文ではスイスの短期金融市場に十分且つ柔軟に流動性を供給する方針が示唆された。
また、中銀はスイスフラン高や原油価格の下落を背景にインフレが急速に低下し、まもなく2%を下回るとの見通しを示した。
さらに、経済成長については、国際的な経済の環境は著しく悪化し、スイスの2009年の経済活動が大きく減速するリスクがあると言及したものの、今後については短期金融市場および外国為替市場の動向を注視するとの表現に留まった。スイス中銀はスイスフラン高への転換を警戒しており、今後の追加利下げ余地が大きいECBを考慮し、2009年前半にかけて追加利下げの可能性が考えられる。0.5%まで政策金利が引き下げられるとの予想をする市場関係者もいる。また、前回の利下げサイクル時(2001年~2003年)では、政策金利は0.25%まで引き下げていることから、0.25%まで合計で0.75%の利下げ余地を指摘するエコノミストもいる。
今回の利下げが市場の意表をつくものであったことや株式相場が下落していたこともあり、債券相場はスイスの利下げを好感。欧州、英国、米国と債券相場の大幅上昇の要因となった。ドイツ10年国債は約0.14%、英国10年国債は約0.16%、米国10年国債は約0.31%、30年国債は約0.42%の利回り低下(債券価格は上昇)となった。ちなみに米国債券相場の一日の上昇幅は1987年のブラックマンデー以来で当時の30年国債は5円程度の上昇だったものに対し、今回は8円以上の上昇。クーポン4%台の債券の2年分の利息収入がたった一日で稼いでしまったことになる。
一方、外国為替相場はリスク回避姿勢が強まり、株安と対主要通貨でのドル高・円高となった。
スイスフランは利下げ発表後、対ドルで2007年8月以来の安値まで下落。21日には午後5時時点で1.2298までさらに軟化。対ユーロでは1.5287と1ヶ月ぶりの安値水準となった。
デンマーク中銀は6日、0.5%の利下げを行い、政策金利を5.00%とした。
デンマーク中銀の利下げはECBの利下げに追随したものであり、両国間の金利差は引き続き1.75%となっている。
チェコ中銀は6日、予想外の0.75%の利下げを行い、政策金利を2.75%とした。
利下げ幅は0.5%を中心とした市場予想を上回るものとなった。声明文では経済成長見通し、インフレ見通しとも下方修正された。
今後の追加利下げについては2月と3月にそれぞれ追加の0.25%の利下げを予測する見方が多い。
ポーランド中銀(NBP)は26日、0.25%の利下げを行い、政策金利を5.75%とした。
据え置きの見方も多かったものの、徐々に利下げが市場に織り込まれてきたことから、大きなサプライズはなかった。他の欧州諸国の大幅利下げもあり、ポーランドもようやく利下げサイクルに入ったことになる。しかし、2009年4~6月期にERM-Ⅱに移行を計画していることもあり、市場参加者の中には、他の欧州の新興国対比では慎重なペースでの追加利下げが行われるとの指摘もある。
FOMC議事録はさらなる景気下振れリスクを指摘
0.5%を利下げしてFFレートが1%になったFOMC議事録(10月28日~29日)では、利下げ後も経済成長の下振れリスクがあるとの認識が示唆されるものとなった。全般的にはハト派な内容で、追加利下げ余地を残すものであったが、利下げ余地も限られてきており、今後は緩やかなペースで利下げを行うべきだとの議論があった。しかし、積極的に利下げを継続するべきとの議論も見られた。
FRBの予測では経済成長が大幅に下方修正された。2009年の実質GDPの中心予想については-0.2%~1.1%と、7月時点の2.0%~2.8%から大きく下方修正。コアPCEデフレーターのインフレ率の中心予想は2.0%~1.5%と、前回の2.2%~2.0%から下方修正となった。失業率については7.6%~7.1%と、前回の5.8%~5.3%から大きく上方修正となった。しかし、失業率のピークは2009年に打つとしており、利上げは2010年までないことも示唆している。12月16日のFOMCでは、0.25%か0.50%かで市場の見方が分かれている。
MPC議事録は大幅追加利下げを示唆する内容
1.5%を利下げして政策金利が3%になった英中銀金融政策委員会(MPC)の11月の議事録では前回一致で1.5%の利下げが決定されていたことが明らかとなった。MPC委員が1.5%よりも大幅な2%の利下げも検討していたことも明らかとなり、極めてハト派的な内容となった。MPCが2.0%の利下げを行わなかったのは、大幅利下げがポンド安によるインフレ懸念を考慮したこと、財政刺激策の規模が不透明であること、グローバルな銀行救済策の効果も読み取れないこと、市場に過度なサプライズを与えたくなかったことなどから極端な大幅利下げを見送った。市場では12月には1.00%の追加利下げが行われるとの見方が有力である。また、2009年も追加利下げが行われ1.5%~1.0%を底とみる見解が多い。
世界の政策金利 (11月28日時点)10月末以降の変化
日本0.30
米国 1.00
カナダ 2.25
ユーロ 3.25(-0.50)
英国 3.00(-1.50)
豪州 5.25(-0.75)
ニュージーランド 6.50
スイス 1.00 (-1.50)0.50%+1.00%
デンマーク 5.00(-0.5)
スウェーデン 3.75
ノルウェー 4.75
ポーランド 5.75(-0.25)
チェコ 2.75(-0.75)
ハンガリー 11.00(-0.50)
スイス中銀(SNB)は20日に1%の緊急利下げを行い、政策金利を1.00%とした。
スイス中銀の緊急利下げは10月8日(協調利下げ)、11月6日に続き、3回連続となる。
この6週間で3回の緊急利下げを行っており、利下げ幅は0.25%、0.50%。1.00%と拡大し、
市場にはサプライズな緊急利下げとなった。スイス中銀の一回の利下げ幅としては金融調節手段として3ヶ月物LIBORを誘導目標として導入した2000年以来で最大となった。
声明文ではスイスの短期金融市場に十分且つ柔軟に流動性を供給する方針が示唆された。
また、中銀はスイスフラン高や原油価格の下落を背景にインフレが急速に低下し、まもなく2%を下回るとの見通しを示した。
さらに、経済成長については、国際的な経済の環境は著しく悪化し、スイスの2009年の経済活動が大きく減速するリスクがあると言及したものの、今後については短期金融市場および外国為替市場の動向を注視するとの表現に留まった。スイス中銀はスイスフラン高への転換を警戒しており、今後の追加利下げ余地が大きいECBを考慮し、2009年前半にかけて追加利下げの可能性が考えられる。0.5%まで政策金利が引き下げられるとの予想をする市場関係者もいる。また、前回の利下げサイクル時(2001年~2003年)では、政策金利は0.25%まで引き下げていることから、0.25%まで合計で0.75%の利下げ余地を指摘するエコノミストもいる。
今回の利下げが市場の意表をつくものであったことや株式相場が下落していたこともあり、債券相場はスイスの利下げを好感。欧州、英国、米国と債券相場の大幅上昇の要因となった。ドイツ10年国債は約0.14%、英国10年国債は約0.16%、米国10年国債は約0.31%、30年国債は約0.42%の利回り低下(債券価格は上昇)となった。ちなみに米国債券相場の一日の上昇幅は1987年のブラックマンデー以来で当時の30年国債は5円程度の上昇だったものに対し、今回は8円以上の上昇。クーポン4%台の債券の2年分の利息収入がたった一日で稼いでしまったことになる。
一方、外国為替相場はリスク回避姿勢が強まり、株安と対主要通貨でのドル高・円高となった。
スイスフランは利下げ発表後、対ドルで2007年8月以来の安値まで下落。21日には午後5時時点で1.2298までさらに軟化。対ユーロでは1.5287と1ヶ月ぶりの安値水準となった。
10月の世界各国の利下げラッシュ(デンマークとハンガリーは通貨防衛の利上げ)に続き、11月に入ってからも利下げラッシュとなっている。
今月に入り、ECB(0.5%)、英国(1.5%)、スイス(0.5%)、デンマーク(0.5%)、チェコ(0.75%)が相次いで利下げを実施した。
ECBは6日に予想通り0.5%の利下げを行い、政策金利を3.25%とした。
ECBは緩和バイアスを維持し、トリシェ総裁の記者会見では今回の決定が全会一致であり、0.75%の利下げも検討されていたことを明らかにした。また、更なる追加利下げの可能性も否定せず、政策判断については12月の定例理事会に発表される新しい経済見通しを重視する姿勢が示唆された。
0.5%の利下げは市場のコンセンサス通りであり、一部に予想されていた1%より小さくやや失望感が漂うものであった。
メルシュECB理事は、景気減速は認識しているものの、今回の利下げは物価安定維持政策と足並みを揃えた措置であることを示唆した。
声明文では、物価安定の見通しが改善されていることが示唆された。またインフレ率の2%割れは10月時点の予想であった2010年初頭から2009年中に変更された。さらに、ECBは、金融市場の動揺でグローバルおよびユーロ圏の需要が長期間低迷すると予測している。
今後の追加利下げについては、12月も利下げが行われるかは四半期経済見通し改定の内容によるものの、市場では12月も追加の0.5%の利下げが行われるとの見方が多い。さらに1月も0.25%の利下げが行われ、政策金利は2.25%まで引き下げられて底を打つとの指摘をするエコノミストもいる。市場関係者の指摘では、ECBが2003年に2%まで政策金利を引き下げたのは誤りであったと考えているため、今回の利下げ局面では2.25%にとどめるとする見方もある一方、2%やそれよりも低い水準まで引き下げるとする見解もある。
英中銀(BOE)は6日、予想外の1.5%の利下げを行い、政策金利を3.00%とした。
英中銀(BOE)の1.5%の利下げ幅は1984年8月以来最大、そして3%の政策金利は1995年以来の低水準となる。また、1.5%の利下げは1980年夏の2%に続く幅である。
市場では、最大でも1%の利下げを予想していたことから、コンセンサスを上回るサプライズな利下げ幅となった。
今回の大幅な利下げの背景には、これまでのインフレ見通しを急速にデフレ警戒へとシフトさせるほどの大きな景気下方プレッシャーが顕在化しつつあることが指摘されている。
声明文ではインフレリスクの大幅な後退と経済見通しの大幅悪化が言及された。また、金融市場はこの100年で尤も深刻な動揺に見舞われたとして、世界的な銀行への資本注入とインターバンク債務の保証で緊張は緩和に向かったものの、家計や企業の信用のアベイラビリティーはまだ制約があるとの見解を示した。また、銀行によっては政策金利引下げも住宅ローンを含む貸出金利に反映させていない姿勢が存在することを示唆している。
今後の追加利下げについては、12月と1月に0.5%の追加利下げが行われ、政策金利は2%でそこをつけるとの見方がある一方、1.5%まで引き下げられるとの見方をするエコノミストもいる。
スイス中銀(SNB)は6日、臨時の金融政策決定会合を行い、0.5%の緊急利下げを行い、政策金利を2.00%とした。
スイス中銀の緊急利下げは10月8日に続き、2回連続となる。
声明文では世界の経済見通しが予想以上に悪化し、2009年にはマイナス成長になるとの見通しが言及された。また、インフレについては、スイスフラン高や原油価格の下落で低下しつつあるとの見方が示された。
今後の利下げについては12月と2009年3月にそれぞれ追加の0.25%の利下げが行われ、1.5%まで政策金利が引き下げられるとの予想をする市場関係者もいる。
デンマーク中銀は6日、0.5%の利下げを行い、政策金利を5.00%とした。
デンマーク中銀の利下げはECBの利下げに追随したものであり、両国間の金利差は引き続き1.75%となっている。
チェコ中銀は6日、予想外の0.75%の利下げを行い、政策金利を2.75%とした。
利下げ幅は0.5%を中心とした市場予想を上回るものとなった。声明文では経済成長見通し、インフレ見通しとも下方修正された。
今後の追加利下げについては2月と3月にそれぞれ追加の0.25%の利下げを予測する見方が多い。
世界の政策金利 (11月6日時点)10月末以降の変化
日本0.30
米国 1.00
カナダ 2.25
ユーロ 3.25(-0.50)
英国 3.00(-1.50)
豪州 5.25(-0.75)
ニュージーランド 6.50
スイス 2.00 (-0.50)
デンマーク 5.00(-0.5)
スウェーデン 3.75
ノルウェー 4.75
ポーランド 6.00
チェコ 2.75(-0.75)
ハンガリー 11.50
10月の世界の政策金利をアップデート!
10月は7日にオーストラリアで1.00%の利下げ、8日にFRB、ECB、イングランド銀行、スイス中銀、カナダ中銀、スウェーデン中銀の六カ国中銀が緊急の強調利下げを行った。利下げ幅は、スイスの0.25%を除き、各国とも0.5%の利下げとなった。また、この強調利下げに追随するように中国が0.27%、香港が1%、アラブ首長国連邦が0.5%、クウェートが1.25%の利下げを行った。
さらに、その後、21日にはカナダが0.25%、の追加利下げ、22日にはニュージーランドが1.00%の利下げ、27日には韓国が0.75%の利下げ、29日には米国FOMCで0.5%の追加利下げ、ノルウェーで0.5%の利下げ、中国で今月二回目の0.27%の利下げ、日本も31日に0.2%の利下げ、一方、22日にハンガリーは通貨防衛で3%の利上げが行われた。
RBA、オーストラリア連邦準備銀行は7日、政策金利を1%引き下げ、6.00%とした。
利下げ幅は事前の市場予想を上回るものとなった。
声明文では今後の政策決定が今までとは同じパターンとはならない可能性が言及された。
今後の追加利下げについては11月に0.5%の利下げがあり、さらに12月と1月にもそれぞれ0.25%の利下げが行われ、5.00%で底をつけるとの見方がある一方、4.5%まで低下するとの見解を示すエコノミストいる。
カナダ中銀は21日、0.25%の追加利下げを行い、政策金利を2.25%とした。
市場では0.5%の利下げ予想もあり、やや失望感もあった模様である。
声明文では見通しに対するリスクは下振れ方向にあるとは言及せず、上下両方との立場であった。ただし、追加的な金融政策面からの刺激策が必要と言及し、緩和バイアスを維持した。
今後の追加利下げについては12月と1月にそれぞれ0.25%の利下げを予想する市場関係者が多い。
ハンガリー中銀は22日、通貨防衛のため3.00%の利上げを行い、政策金利を11.5%とした。
利上げの背景は、ハンガリーフォリントが対ユーロで過去最低水準まで下落するなど資本流出が顕著になっており、通貨防衛の判断が働いた。2日前の定例の金融政策決定会合では政策金利の据え置きを決定したばかりであった。
ニュージーランド中銀は22日、1%の利下げを行い、政策金利を6.5%とした。
利下げ幅の1%は市場の予想通りで、あるが、これは過去最大のもので、中銀のグローバルな金融危機や景気後退リスクに対する強い懸念を反映したものと考えられる。
声明では世界的な金融危機が国内の景気後退を悪化させるリスクがあり、追加利下げの可能性が強く示唆された。
今後の追加利下げについては、12月、1月、3月とそれぞれ0.5%の利下げが行われ、5%でそこをつけるとみる市場関係者がいる。
FOMCでは29日、市場の予想通り0.5%の利下げを行い、政策金利は1.00%となった。
今回の利下げは2007年9月以降、9回目の利下げで、1%の政策金利は2003年から2004年6月まで続いた水準と同じであり、4年4ヶ月ぶりで過去最低水準。8日の六カ国協調利下げに続き、3週間で二回の利下げに踏み切る異例の措置で、一ヶ月に2回の利下げは2008年1月以来となった。
声明文では個人消費を中心として経済活動が著しく減速しているとの認識が示唆され、経済成長の下方リスクが残っていると指摘。家計支出低下、設備投資不振、企業の生産性低下、輸出の鈍化見通しなど景気判断が一段と下方修正されている。金融市場の混乱が消費をさらに抑制するリスクにも言及し、米国景気後退を事実上認めるものとなった。また、インフレについては今後数四半期で鈍化するとの見方が示された。今後のスタンスが景気下振れリスクを重視したものにシフトしたことが窺われる。さらに、今後も経済・金融動向を注視し、必要な行動を取るとの姿勢が示唆され、一段の金融緩和に含みを残した。
FRBは、民間金融機関向け貸出金利である公定歩合も0.5%引き下げ1.25%とした。
今後の追加利下げについては12月16日にも0.25%、最大で0.5%の利下げがあるとの見方がある。また、最終的には0.75%ではなく、0.5%、あるいは限りなく0%に近い水準までFFレートが低下すると予想する市場関係者もあり、見方が分かれている。
ノルウェー中銀は29日、0.5の利下げを行い、政策金利を4.75%とした。
利下げ幅は市場の予想通りで、15日に続いて10月二回目の利下げとなった。
声明文では0.25%の利下げ幅も議論されたことが明らかとなったが、緩和バイアスは維持されている。
今後の金融政策については2010年までに政策金利を3.75%まで低下させるとの予想が示唆された。市場関係者の指摘では、政策金利は2009年6月までに3.00%まで低下するとの見方も多い。
日本銀行は31日、0.2%の利下げを行い政策金利を0.3%とした。
政策金利の引き下げはゼロ金利に誘導した2001年3月以来7年7ヶ月ぶり。今回の利下げは政策委員8人のうち賛成4対反対4と同数となり、白川総裁が最終的に決定した。
声明文では景気の下振れリスクの高まりと当面の停滞色の継続を指摘。これまでの“停滞している”との景気判断を下方修正した。
市場関係者の指摘では、日銀が追加措置としてゼロ近辺まで引き下げる可能性も取り上げられている。
世界の政策金利 (10月31日時点)
日本0.30(-0.20)
米国 1.00(-1.00)0.5%×2回
カナダ 2.25(-0.75)0.5%+0.25%
ユーロ 3.75(-0.50)
英国 4.50(-0.50)
豪州 6.00(-1.00)
ニュージーランド 6.50(-1.00)
スイス 2.50 (-0.25)
デンマーク 5.50(+0.90)
スウェーデン 3.75(-1.00)0.5%×2回
ノルウェー 4.75(-1.00)0.5%×2回
ポーランド 6.00
チェコ 3.50
ハンガリー 11.50(+3.00)
中国6.66(-0.54)
韓国4.25(-0.75)
RBA、オーストラリア連邦準備銀行は4日、政策金利を0.75%引き下げ、5.25%とした。今回の利下げは、先月の1%の利下げ同様、市場の事前予想の0.5%を上回る大幅な利下げとなった。これで9月からの3度の利下げが実施され、利下げ幅は合計で2%となった。
スティーブンス総裁のスピーチは、アジア太平洋地域の景気減速と世界的な景気悪化に焦点を当てたもので、『オーストラリアのインフレがまもなく低下し始めるとかんがえるのが合理的である』と言及。先週のバッテリー副総裁のインフレ警戒的な発言による一時的な大幅追加利下げ観測の後退から一変した。
RBAの具体的な経済見通しは、来週の四半期金融政策報告を待つことになるが、商品市況の低迷と海外の景気後退懸念の影響を反映したものとなると考えられる。
市場では12月に追加の0.5%、中には0.75%の利下げがあるとみるエコノミストもいる。さらに来年前半にかけて追加の利下げがあり、最終的に4.5%~4%で政策金利のボトムをつけるとの予想が多い。
FRB、ECB、イングランド銀行、スイス中銀、カナダ中銀、スウェーデン中銀の六カ国中銀は緊急の協調利下げを行った。利下げ幅は、スイスの0.25%を除き、各国とも0.5%の利下げとなった。また、英国は銀行の資本増強、英中銀の特別流動性供給枠の拡大、設定された金融機関の短中期債券発行の36ヶ月の保証などを盛り込んだ包括的救済策を発表した。
金融セクター懸念を背景としたグローバルな株式相場の大幅下落、各国の景気後退局面入りへの懸念に対し、各国中銀は危機対応としてあえて10日のG7前に利下げを断行した。これにはある意味アナウンスメント効果も意図されており、深刻な金融危機・信用収縮に対してまた一つ打開策が加わったことでセンチメントの改善が期待されている。
また、この協調利下げに追随するように中国が0.27%、香港が1%、アラブ首長国連邦が0.5%、クウェートが1.25%の利下げを行った。
これまでの米国の7000億ドルの金融安定化法案、欧州各国の金融システム支援策、そして今回の英国の500億ポンドの公的資金注入策および六カ国協調利下げへと当局の事態打開へ向けた対応が遅まきながら進展してはいる。
各国中銀の協調利下げと強いメッセージは市場の安定に向けてプラス要因と見られるものの、景気後退の本格化が進行する中、金融セクター懸念の払拭には時間がかかるとみられることから、更なる追加的措置が必要と指摘する市場参加者も多い。
さらに、市場の反応も各国当局の期待通りとはならず、今ひとつであった。プラス圏に浮上した8日の欧州株式相場は再度急反落。その後の米国株式相場も続落となった。
外国為替相場も円の全面高となった。ドル円は98.61、ユーロ円は134.17、ポンド円は173.75、カナダ円は89.76、豪ドル円は67.36をつけたあと、海外では63.75まで下落した。
本日9日は株式、外国為替とも反発していたが、日経平均は続落している。
各国政策金利と利下げ幅
米国 1.5%(-0.5%)
カナダ 2.5%(-0.5%)
ユーロ圏 3.75%(-0.5%)
英国 4.5%(-0.5%)
スイス2.5%(-0.25%)
スウェーデン4.25%(-0.5%)
ECBは10月2日の定例理事会で政策金利の据え置き(現行4.25%)を満場一致で決定したが、これまでのタカ派スタンスから大きくハト派に転換し、利下げ観測が急速に高まった。
トリシェ総裁の記者会見では、金融市場の混乱に言及するとともに、それが異常な不確実性を引き起こしていることも繰り返した。また、理事会では利下げについても議論していたことを明らかにし、ECBは状況の悪化の程度に応じて必要ならばいつでも行動する用意があるとも言及した。理事会後の声明文では経済成長の下振れリスクが強調される一方、インフレリスクが幾分下方修正されたため、利下げ観測が急速に高まった。ECBは金融市場の動揺と景気の低迷で物価の上振れリスクが若干弱まったとの認識を示す一方、8%の賃上げを要求しているIGメタル労組の妥結を控え、賃金インフレへの警戒も維持された。
トリシェ総裁は11月の利下げの予告は拒否したものの、金利が現行水準に据え置きとなることも特に示唆しなかった。
市場では物価や賃金の上振れリスクが残っていることから、金融市場の動揺が落ち着けば政策金利はまだ据え置きが続くという見方がある一方、年内に0.5%の利下げが実施されるとの見方も出てきている。利下げ開始については早いもので11月という見方があるが、ECBの経済見通しが改定される12月という予想もある。これまでは2009年の春頃との見方が多かったが、前倒しで利下げが行われるとの見方が優勢となっており、中には12月、2月、4月にそれぞれ0.25%、合計で0.75%の利下げが行われると見る市場関係者もいる。いずれにしろ市場環境次第ではあるが、ECBの次の一手がようやく金融緩和に転じてきたことが明確となった。
金融セクター懸念でドルのファンディングポジションの解消圧力からユーロ安・ドル高基調が続いているところにECBが金融緩和バイアスに転じたことからユーロの売り圧力が強まり、ユーロ・ドルは1.3748ドルに急落。ユーロ円も145円を割り込んだ。また、債券市場では利下げを織り込む形で相場上昇。2年債券3.295%(-0.147%)、5年債券3.614%(-0.126%)、10年債券3.932%(-0.079%)、30年債権4.435%(-0.089%)と堅調な展開(金利低下)となった。
ECB、政策金利を据え置き
ECBは4日の定例理事会で市場の予想通り、政策金利の据え置き(現行4.25%)を決定した。
ECB理事会から特段のサプライズはなかったものの、注目されたのは経済成長とインフレに関するECBスタッフ予測。
声明文では経済成長見通しが下方修正(2008年1.8%→1.4%、209年1.5%→1.2%)され、景気の悪化を認めたものの、早期の利下げが検討されることはないことを示唆。トリシェ総裁は金融政策にバイアスがないことを言及した。
一方、インフレ見通しは2008年3.4%→3.5%、2009年2.4%→2.6%に引き上げられ、トリシェ総裁は『物価安定をみるのは2010年』と言及。ECBが目標とする2%割れは2010年以降に実現するという見方を示した。ドイツのIGメタル労働組合は7~8%の賃上げを要求しており、5%の妥結予想でもECBの容認水準である3~3.5%の妥結を上回ることになる。
全般的には、ECBは景気後退リスクにも言及しているものの、商品価格の上昇が賃金と価格安定へ波及する『2次的影響』への警戒も解いておらず、早期の利下げの可能性は低いと読み取れる。
また、ECBは資金供給が金融機関に乱用・悪用されないように2009年2月からABSつまり、資産安保証券などリスクの高い資産の担保評価額を引き下げる。全てのABSについて一律12%のリスクプレミアム(従来は2~18%)、理論的な価格しかない証券についてはさらに5%の上乗せとする。担保基準の厳格化は一部の金融機関の資金繰りに影響が出る可能性がある。
トリシェECB総裁のユーロ圏経済の後退懸念やユンケル・ユーログループ議長のユーロの過大評価発言を受けて、ユーロドルは1.45台半ばから1.43台半ばまで大幅続落となった。
また、債券市場は、成長予測の下方修正に反応し、相場上昇(金利低下)。ドイツ国債で2年債4.058%(-6bp)、5年債3.946%(-8bp)、10年債4.070%(-7bp)、30年債4.535%(-4bp)と堅調な展開となった。
英中銀金融政策委員会(MPC)は政策金利を据え置き
英中銀金融政策委員会(MPC)は4日、市場の予想通り、政策金利の据え置き(現行5%)を決定した。
据え置きの場合は声明文が出ないため、2週間後の議事録発表を待つことになるが、景気後退懸念とインフレ懸念の狭間で議論が展開されたものと考えられる。ハト派のブランチフラワー委員などを中心に利下げに踏み込んだ議論が行われ、利下げのバイアスが高まった可能性が考えられる。
カナダ中銀は3日、市場の予想通り、現行3%の政策金利の据え置きを決定した。声明文では中立スタンスを維持した。これで3回目の中立スタンスとなったが、文言は『現行の翌日物金利は適度に緩和的である』とし、景況判断についても、減速トレンドにあるとしながらも、その度合いは7月の時点から僅かに下振れただけとし、市場が期待していたような下方修正は見られなかった。一方、インフレ見通しは、7月以降の商品市況の下落がCPIを押し下げるとして、見通しを改善した。
市場では今回、3割前後の確立で0.25%の利下げが織り込まれていたこと、また、年末までに複数回の利下げが織り込まれていたこと、さらに、声明文でカナダ中銀が明確な利下げのシグナルを市場に与えなかったことからカナダドルが急騰。ドル高や原油価格の107.50ドルへの下落などを背景に1.0777の安値をつけていたが、声明文の発表後に1.0578まで急伸した。また、カナダの債券市場は金融緩和の可能性が低下したことから短期ゾーンは下落(金利上昇)、一方、長期ゾーンはインフレ低下期待や米国債券相場の上昇もあり、上昇(金利低下)となった。
エコノミスト、ストテジストなど市場関係者の間では、利下げは来年になるとの予測もあれば、利下げはないとの予測もあり、見方が依然として分かれている。
MPC(英中銀金融政策委員会)の8月の議事録は、7月と同じ票結果となった。
据え置きが7人、ハト派のブランチフラワー委員が利下げ、タカ派のべズレー委員が利上げを主張。票が分かれての政策金利据え置きとなった。
MPCの議論のトーンは7月対比で弱気となっており、景気動向は悪化し、短期のインフレ見通しはまちまちとの認識であった。
8月のインフレ報告で緩和バイアスを示唆したものの、MPC内部の据え置きを主張する委員がすぐに利下げに転じる兆候も見えないことから、政策金利は当分の間据え置きが続くと指摘する市場関係者もいる。
英中銀の四半期インフレ報告では、インフレが目標を大幅に上回っているが、景気減速が予想以上に進んでいることが指摘された。
インフレは年末にかけて前年比5%未満でピークをつけるとの見方が示唆された一方、今後2年間でインフレが2%の目標の中心を若干下回るとの予測も示された。『痛みを伴う』景気減速がいずれインフレ圧力を和らげると示唆したもので、これは金融緩和バイアスへの転換と考えられる。
このため、英国の期待金利は急低下し、英ポンドは大きく売り込まれた。市場が景気減速と利下げを織り込む展開の中、市場関係者の間では英中銀の利下げは2009年2月までないとの指摘がある。
ECBは7日の定例理事会で政策金利の据え置き(現行4.25%)を決定した。
理事会後の声明文および記者会見では、『ECBは現時点で政策運営上のバイアスはない』と、『現行の金利水準は、ECBの物価安定目標を達成することに貢献するであろう』が繰り返された。また、7月の利上げを事実上予告した6月の理事会で使用された表現である『警戒を高めた状態』は7月に続き、今回も見送られた。
ECBは景気判断の下方修正をする一方、中期的な物価安定へのリスクは更に高まっているとの判断を維持。インフレについて『賃金などの二次的影響を回避することが引き続き最重要課題』との方針を再度表明した。
トリシェ総裁は、『成長減速が現実のものとなりつつある』と言及。景気見通しについて4~6月期のみでなく、7~9月期も弱いとの見方を示唆。また、『中期的な物価安定に対するリスクは引き続きアップサイド』、『前年比で見た物価上昇率は物価安定に整合する水準を依然として大きく超えている』と言及。ECBもFRB同様、景気の下振れリスクとインフレの上振れリスクの両睨みの政策運営を迫られる中で政策金利の据え置きを当面続ける公算が高くなった。
前回声明文から削除された文言としては、①『直近の情報は緩やかな経済成長というわれわれの予測に整合するものとなっている』、②『先行きについては、内需・外需の双方とも2007年ほどにはないにせよ2008年も経済成長率を支える効果となるだろう』、③『直近の情報は上期中のブレを考慮しても実質GDPの緩やかな伸びが持続し得ることを示唆している』の3点。
今回のトリシェ総裁の記者会見での発言および声明文では、ECBの景気見通しに対する自信が著しく低下したものとなっており、最近の経済指標の低迷を反映してか、成長率の鈍化にやや心理的ウェイトを置いた状態となっている。景気後退期の物価上昇というスタグフレーションの状態でECBの政策運営はやや行き詰まり感が強くなったが、原油価格が下落基調を継続していけば、インフレ率の落ち着きと景気後退を受けて、2009年に入ってからの利下げの可能性はさらに強くなるものと考えられる。
トリシェ総裁の記者会見および冒頭声明を受けて年内の追加利上げの織り込み度合いが大きく低下する一方、2009年前半の利下げの可能性を織り込む展開となり、ユーロ金利が急低下(2年債券-0.15%、5年債券-0.16%、10年債券-0.08%)。また、ユーロ相場も急落(対ドルでは1.54ドル台後半から1.53近辺まで)した。
FOMCはFFレート据え置き
FOMC声明文は微妙な変化に留まるが、ややハト派的。利上げ提唱者は一名のみ。
米連邦準備理事会(FRB)は5日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利であるFFレートの誘導目標を現行の2.0%で据え置いた。据え置きは10対1で決定された。また、フィッシャー・ダラス連銀総裁は今回の会合における利上げを提唱して反対票を投じた。
今回の声明文でもリスク均衡は過去2回と同様にやや曖昧なものとなり、先行きを示唆する表現も従来通りに据え置かれた。
『成長に対するリスク』では、『下振れリスクは残るものの、いくらか縮小した模様』の文言が削除され、『下振れリスク』となった。
一方、『インフレとインフレ期待に対する上振れリスクは高まった』は、『インフレに対する上振れリスクもまた委員会にとって重大な懸念対象』に変更された。
インフレに関する現状の描写部分の時制が現在完了形となっており、6月末の前回のFOMC時点と比較するとインフレの上昇を続けるリスクよりもインフレ圧力が定着するリスクを懸念しているように感じられる。これは『エネルギー価格の上昇』が『高水準にあるエネルギー価格』に置き換えられていることから感じ取れる。前回と比較すれば、成長とインフレのリスク均衡より中立に近い状態にあると考えられる。
世界の政策金利をアップデート!
6月はノルウェー、ポーランド、7月に入ってユーロ圏、スェーデンが0.25%利上げ。
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ECBは3日、市場の予想通り、政策金利を0.25%引き上げて4.25%とした。全会一致だった。トリシェECB総裁は『インフレはこれまで考えられていた以上に長期間にわたり高水準に留まることが予想される。将来の金融政策のアクションに関して事前にコミットすることはないし、政策のバイアスについても言及することはしない』と発言。
声明では、今回の決定が物価安定という目標に寄与すると述べられた。これは現時点では金利は適正水準で、近い将来に追加利上げする必要性は見えないとの判断と考えられる。しかし、情勢を注視していくとの表現が盛り込まれており、追加利上げの可能性もあることを示唆している。トリシェ総裁は経済見通しの不透明感が強いとしながらも、物価安定へのリスクが増し、ECBは注視を続けると言及。ただし、追加利上げの時期についてバイアスはない、あらかじめ定められた予定はない、必要なことを実施すると述べるにとどめ、すべてオープンとの立場を示した。バイアスがないということは、次回の動きが利下げの公算すら排除しないとも考えられる。経済見通しについて、4~6月期は弱いが、7~9月期に腰折れするわけではないと言及。このため景気が悪化すれば、追加利上げを見送ることが考えられる。
ECB理事会の前に市場は年内に2回以上の利上げを織り込んでいたが、トリシェ総裁の発言が予想以上にタカ派色の薄いものと判断され、連続利上げ観測が後退。ユーロに強い下げ圧力となった。
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6月を終えて世界の政策金利をアップデート!
6月はニュージーランド、ユーロ圏、スイス、スウェーデン、ノルウェー、ポーランドの6カ国で0.25%の利上げが行われた。米国、英国では政策金利が据え置かれた。一方、ハンガリーは0.25%の利下げが行われた。
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世界の政策金利をアップデート!
20日にスウェーデンで0.25%の利上げが行われた。また、英国では英中銀議事録が公表された。
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14日にスイスで0.25%の利上げが行われた。
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世界の政策金利をアップデート!
6月に入り、ユーロ圏、ニュージーランドで0.25%の利上げが行われた一方、英国は据え置きとしている。
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世界の政策金利をアップデート!
5月は英国、ノルウェー、チェコで0.25%の追加利上げが行われた。
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カナダの追加利上げ観測とカナダドル高 - 上値目標値は・・・
カナダドルが堅調に推移している。18日は対ドルで1.0878まで急騰。NY市場終値は1.0887となっている。また、対円でも111.33と大幅に上昇し、111.26で引けている。
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世界の政策金利をアップデート!
9日のFOMC、10日のECB定例理事会では政策金利の据え置きが決定されたが、BOE(MPC)では、0.25%の追加利上げが行われた。
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4月の世界の政策金利をアップデート!
4月は、25日にポーランド、26日にニュージーランドで0.25%の利上げが行われた。
一方、ノルウェーは市場予想に反して政策金利を据え置きとしている。
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4月のイングランド銀行金融政策委員会(MPC)議事録では、7対2で政策金利の据え置きが決定されていた。
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ECBは市場の予想通り、12日の政策理事会で政策金利を現状の3.75%で据え置きとした。
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世界の政策金利アップデート
3月の世界の政策金利をアップデート!
3月は、8日にニュージーランド、ユーロ圏(ECB)で0.25%の利上げが行われた。一方、英国は政策金利を据え置きとしている。また、15日には、スイス、ノルウェーで0.25%の利上げが行われた。そして21日のFOMCでは政策金利を据え置きとしている。
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世界の政策金利アップデート
3月16日までの世界の政策金利をアップデート!
3月に入り、8日にニュージーランド、ユーロ圏(ECB)で0.25%の利上げが行われた。一方、英国は政策金利を据え置きとしている。また、15日には、スイス、ノルウェーで0.25%の利上げが行われた。
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3月9日までの世界の政策金利をアップデート!
3月に入り、ニュージーランド、ユーロ圏(ECB)で0.25%の利上げが行われた。一方、英国は政策金利を据え置きとしている。
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3月2日までの世界の政策金利をアップデート!
2月は、日本、スウェーデンで0.25%の利上げが行われた。一方、ユーロ圏(ECB)、英国とも政策金利を据え置きとしている。
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世界の政策金利アップデート
2月9日までの世界の政策金利をアップデート!
1月は、11日に英国、およびノルウェーで予想外の0.25%の利上げが行われた。一方、ユーロ圏(ECB)、米国(FOMC)は市場の予想通り政策金利を据え置いた。
2月は英国、ユーロ圏とも政策金利を据え置きとしている。
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