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情報処理過程を歪曲する可能性のある心理的諸現象のその②です。
『選択的受容』
私たちは自分たちの行動や態度を確認してくれそうな情報のみを受け入れようと試みる傾向がある。アナリスト、ファンドマネージャーなど市場関係者の態度は、彼らが以前書いたものに影響されがちである。彼らは不快な現実から身を守るべく、情報の選択的受容に訴える可能性が高い。
『選択的知覚』
自らの行動や態度を確認するように見える仕方で、私たちは情報を曲解する。これもアナリストなど市場関係者の自己防衛方法の一つである。
『確認バイアス』
私たちの結論は、自分たちが信じたいと望むことによって不当な偏りを持つ。これまでに景気や相場などに関して書いたことのある人たちは、それと矛盾する新しい情報が現れた後も、自分が書いたことは今でも正しいと信じたがるものである。
今日の行動ファイナンスは、報処理過程を歪曲する可能性のある心理的諸現象について取り上げます。その①です。
『順応的態度』
私たちは知人と同一の態度を取ることが多い。市場関係者はお互いの記事を読みあう社会に属している。このため順応的態度が生じる可能性がある。
『認知的不協和』
私たちの意思決定が間違っていたことが証明されると認知的不協和が発生する。私たちはそうした情報を回避し、さらに不協和に焦点が当たるような行動を避けるように努める。このことは、市場関係者が現在の相場のトレンドと相容れない情報を無視することで可能となる。
『同化の過誤』
受け取った情報を間違って解釈し、それによってこれまでの行動を確認したように思う。投資家が以前の意思決定を通じて市場にコミットしているのと同様、アナリストも以前に書いたことを通じて市場にコミットしている。こうして市場参加者全員が情報を誤って解釈する理由をもつ。
市場が強気と弱気の場合に出来高が非対称的である心理学的背景のその③です。
『認知的不協和』
私たちの意思決定が誤りだったことを示す情報が現れたとき、認知的不協和が発生する。私たちはそのような情報を回避し、あるいは歪曲し、さらにそうした不協和に焦点を当てるような行為を回避しようとする。損失を確定することは誤りを確認する行為であり、認知的不協和を作り出す。
『自己過信』
私たちは正しい意思決定をする自らの能力を過大評価する。相場が上昇して利益をあげると、それは自分に抜け目がなかったからだと考え、同じ理由からさらに多くの売買をし始める。
市場が強気と弱気の場合に出来高が非対称的である心理学的背景のその②です。
『後悔理論』
私たちは、自分たちが間違いを犯したことを確認する行動を回避する傾向が高い。認めたくないのである。損失を確定する手仕舞い(売買)は、そうした間違いの確認であり、自ら認めたことになる。つまり、面子を失う行動を取りたくないのである。こうした行動が損失の先送りの背景となる。
『精神的区画化』
私たちは全体を別々の区画に分け、全体ではなく、格々の区画の最適化を図ろうとする。単に今現在、利益が確保できるという理由からポジション(持ち高)を手仕舞うのは、こういう理由からだと推察される。これは、利益の確保(利食い)が早い原因の一つと考えられる。
行動ファイナンス用語として今回はパニック時の心理現象を説明するものを取り上げます。
『身体標識理論』
強い脅威がパニック持続を強める身体反応を作り出す。この現象は、パニックが個人におけるより急速な態度の変化を誘発する急激な株価下落時に発生する可能性がある。
『社会比較』
私たちは自分では解釈の困難なテーマについての情報源として他人の行動を利用する。集団的パニックは、株式相場や景気に関して他の人々がどう考えているかを示す非常に明確なシグナルを送ってくれる。私たちはそれに影響されるのである。
『準拠』
私たちの意思決定は、正しい解答を示唆するように思える情報の投入によって影響される。株価は今急激に低下しているという情報が投入されれば、おそらく私たちは景気も同様に悪化しつつある、あるいは悪化すると結論する確率が高い。
『後知恵バイアス』
私たちは過去のいくつかの事象の結末を予測できた蓋然性を過大評価する。つまり、パニックは予測できたはずだと考え、間違いを是正することにさらに熱心になる。
コンピューター、携帯電話、各種情報端末、インターネットなどICT化が急速に進んだ現代。高度情報化社会に入っても、人間の情報処理における能力はそれほど進んでいないような気がします。
人間自身の生理的な意味での情報処理能力には限界があり、情報の収集に使える時間も限られています。小生なども一日に100通くらいはメールが来ますが、勿論全部読む暇などありません。社内メールですら鬱陶しいものがあります。
行動ファイナンス理論で指摘しているように、人間は情報処理能力の限界から、ヒューリスティックやアンカーリングといった簡便法的なアプローチをとり、それが過小評価や過大評価に繋がると考えられています。また、人間は不協和を避けようとしたり、損失を回避したりするため、情報は人によって加工される傾向があります。人間は同じ情報について異なる解釈を行い、時として全く正反対の結論を導き出すことはよく知られていますが、情報を理解し、加工するときに人間は誤った解釈や判断を下しやすいのです。人間は利益をすぐ実現させ、損失の確定は遅らせる傾向が強いため、その時に置かれている状況によって情報の解釈が変わり、情報が自己増殖的に動き出すと考えられるのです。
続きを読む >> 情報処理と意思決定②
しこったポジションは損の神様がずーっと見ていて、損切りするまでいじめられ、辛抱たまらなくなって切ったら反対の方向に動き出す。キーツ。悔しい~。
すぐに気分の切り替えができればいいんですけど、人間には感情があるのです。
この感情が次の行動を起こすときに影響を与えるのです。
続きを読む >> 『スネークバイト効果』 - 行動ファイナンス用語
行動ファイナンス
自信過剰 - 米国の研究事例
ICT化の進展で、個人投資家は情報アクセス量が増えたことで自信過剰に陥ることが指摘されています。その結果、過度に頻繁な取引を行い、パフォーマンス悪化をもたらすという報告がされています。
続きを読む >> 自信過剰 - 米国の研究事例
米国の有名な経済学者でロバート・シラーという人がいます。彼は1987年10 月19日のブラック・マンデーのときに面白いアンケート調査を行っています。
機関投資家1000社、個人投資家2000人を対象に質問状を送り、それぞれ284社、605人から回答を得ています。質問の内容は株価下落中に最も重要と考えたユースは何かというものです。面白いことに、一番多かった回答は、経済や政治のニュースではなく、相場の動きだったといいます。つまり、株の下落それ自身だった考えられます。
株が大幅に下落しているから、不安になって売ってしまった。もっと下がるかもしれないと思い、慌てて投げ売りをしてしまったということだと考えられます。
生身の人間がパニック売りをすることで、売りが売りを呼ぶ現象はこれまで何度も繰り返されてきました。こういうときには何が起こっているかファンダメンタルズから説明するのはまず無理でしょう。日経平均の裁定取引、外国為替のオプションの行使価格近辺の防戦売り、債券のコンベクシティヘッジなど、現在市場で見られる高度な売買手法、瞬時の大幅な相場変動など、相場の動きそのものが市場参加者の売買の動機となっているのです。
さらに付け加えると、市場参加者のうち、短期売買を行うディーラーなどの参加者は、ストップロスというリスク管理を行っています。相場下落が一定の水準を越えると損を限定する行動に出ます。このため臨界点をこえる相場変動は(下落の場合は、さらに下落に弾みが付くこと)さらに激しく同一方向に変動が拡大することが多いのです。さらに、ストップロスを付けに行く行動を取るディーラー、短期投機筋もいるくらいです。
続きを読む >> 情報処理と意思決定
人間は一般的に利益が出ているときと、損失がでているときではリスクに対する態度が異なると言われている。行動ファイナンス学者によれば、投資家は利益が十分上がらないうちに利益を確定してしまう一方、損失の確定は先送りしてしまう傾向が強いという。
利益が出ているときは。さらなる利益を追求するよりも、利益を確定するほうが好まれる。一方、損失が出ているときは、損失を確定するよりも、損失が拡大するリスクを冒してもその縮小を狙うほうが好まれる。
人間は心理的要因によってリスク量を決める傾向があり、利益は確定され、損失は先送りされてしまう。相場の格言で有名な『損切りは早く、利食いはゆっくり』はこのことに対する注意を喚起するものだが、なぜ分かっていても、人間は利食いが早くて、損切りが遅いのだろうか。
続きを読む >> なぜ利食いが早くて、損切りが遅いのか?!
相場の格言にも『まだはもうなり、もうはまだなり』という言葉がありますが、相場にトレンドが見られるとき、人々はそのトレンドに対して、いつまで続くのか、天井や底はいくらなのかと言う関心を抱きます。
さて、今日の行動ファイナンス用語です。
続きを読む >> 『代表制の過誤』-行動ファイナンス用語
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